Webマーケティングにおいて「バナー」は欠かせない存在です。
SNS広告やWebサイトのさまざまな箇所で目にするバナーですが、「実際にどんな種類があり、どんな効果があるのか」「作るときに気を付けるポイントは?」と疑問に感じている方も多いでしょう。
本記事では、バナーの基礎知識から種類・サイズ・メリット、そして効果的な制作手順までをわかりやすく解説します。これからバナーを活用したい方や、自社の広告効果を高めたい方はぜひ参考にしてください。
バナーとは

バナーとは、Webサイトやアプリ、SNSなどに表示される画像や動画形式の広告・案内ビジュアルのことです。
もともと「旗」「横断幕」を意味する英語 “banner” に由来し、視覚的にメッセージを伝えるデジタル版の看板といえます。
バナーの種類
バナーは大きく分けて「サイトバナー」と「バナー広告」の2種類に分類されます。
サイトバナー

上記は、当社コーポレートサイトの事例や実績を集めたページへと誘導します。
サイトバナーとは、自社のWebサイト内で使用されるバナーのことです。
サイト訪問者に向けて、キャンペーンやおすすめ情報を訴求する目的で設置されます。
また、代表的な設置箇所は以下の通りです。
- トップページのメインビジュアル(ヒーローバナー)
- 商品カテゴリページ内のキャンペーン案内
- サイト内回遊を促す誘導バナー
サイトバナーの最大のメリットは、自社の世界観を保ちながら情報を発信できる点です。
ユーザーのサイト内行動データをもとに表示内容を変えるなど、パーソナライズした訴求も可能です。ECサイトでは季節ごとのセール告知、飲食店サイトでは期間限定メニューのお知らせなど、更新頻度が高いビジュアル施策としても有効です。
バナー広告

一方、バナー広告は自社サイト以外のWebページのPR枠に表示される広告用バナーを指します。
主に広告ネットワーク(Googleディスプレイネットワーク、Yahoo!広告、Meta広告など)を通して配信され、 ユーザーの興味関心や行動履歴に基づいてターゲティングが行われます。
特徴としては以下の通りです。
- 広範囲なリーチが可能
- クリックによるサイト誘導が主目的
- 配信面やサイズ規定が細かく設定されている
バナー広告の意味と目的
ここからはバナー広告についてより詳しく解説していきます。バナー広告はWebメディアやアプリの広告枠に画像や動画を表示し、ユーザーの興味を引いてクリックやコンバージョンを促す広告手法です。
その目的は、商品やサービスの認知拡大、サイトへの誘導、資料請求や購入などのアクションを増やすことにあります。 視覚的なインパクトでユーザーの注意を引きやすく、短期間で多くの人にリーチできる点が大きな魅力です。
バナー広告の種類
バナー広告には、静止画やアニメーション、動画などさまざまな種類があります。目的や配信先によって最適なフォーマットを選ぶことが重要です。
広告媒体ごとに入稿規定があり、サイズ・データ容量・デザインはある程度制約されるため、デバイスや画面サイズに自動対応するレスポンシブバナーも増えています。
- 静止画バナー(JPEG/PNG/GIF)
- アニメーションバナー(GIF/HTML5)
- 動画バナー(MP4/GIF/HTML5)
- レスポンシブバナー
- インタースティシャルバナー
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バナー広告のメリット

視覚的に訴求できる
バナー広告の最大の強みは、視覚的に訴求できる点にあります。テキスト広告と異なり、画像・イラスト・色・レイアウトなどのビジュアル要素を使って、ブランドの世界観や商品の魅力を直感的に伝えることができます。例えば、ファッションブランドなら季節感のあるビジュアルでトレンドを表現したり、飲料メーカーなら爽やかさやおいしさを視覚的に印象づけたりすることが可能です。
また、デザインのトーンやフォント、写真の選び方などによって「高級感」「親しみやすさ」「信頼性」など、ブランドが持つイメージをコントロールすることもできます。人は文章よりも視覚情報を優先的に処理する傾向があり、第一印象を形成するスピードも非常に速いといわれています。そのため、訴求力の高いクリエイティブを用意することで、ユーザーの記憶に残りやすく、購買行動にもつながりやすくなります。
ターゲット配信が可能
バナー広告は、配信先を細かくターゲティングできる点も大きな魅力です。広告配信プラットフォーム(例:GoogleディスプレイネットワークやSNS広告など)では、年齢・性別・居住地・興味関心・検索履歴・サイト閲覧履歴など、さまざまなデータをもとに配信対象を設定できます。
そのため、商品やサービスに関心を持ちそうな層へ効率的にアプローチでき、無駄な広告費を抑えながら成果を最大化できます。
また、過去に自社サイトを訪問したユーザーに再度アプローチする「リターゲティング広告」も有効です。商品ページを閲覧したが購入に至らなかったユーザーに対し、限定キャンペーンや割引情報をバナーで再提示することで、購買の後押しが可能になります。
このように、バナー広告は単なるイメージ訴求だけでなく、データに基づいた精度の高い配信戦略を実現できる点で、他の広告手法と差別化されています。
短期間で多くの人にリーチできる
バナー広告は、短期間で多くのユーザーにリーチできます。配信設定を行ってから数時間〜1日程度で露出を開始でき、即効性のあるプロモーション手段として活用できます。
特に、期間限定キャンペーンや新商品発売など、即効性のある認知拡大の施策には非常に効果的です。ディスプレイネットワークやSNSなどの広告枠は膨大であり、数百万人単位のユーザーに一斉配信することも可能です。
さらに、ユーザーの閲覧中のコンテンツや行動データをもとに広告を表示するため、自然な形で接触機会を増やせる点も特徴です。
マスメディア広告(テレビ・雑誌など)の手法と比較して、コストとスピードのバランスに優れた広告手段といえるでしょう。
効果測定がしやすい
バナー広告は、データによる効果測定が容易である点も大きなメリットです。広告配信後は、クリック率(CTR)や表示回数(インプレッション)、コンバージョン率(CVR)、CPA(1件あたりの獲得コスト)など、さまざまな指標をリアルタイムで確認できます。
これにより、「どのクリエイティブが最も反応が良いか」「どの媒体が費用対効果が高いか」を定量的に分析し、運用の最適化につなげることができます。複数のデザインをA/Bテストして、クリック率の高いバナーを残すなど運用方法も重要です。改善サイクルを素早く回し、限られた広告予算でも成果を最大化しやすくなります。
また、Googleアナリティクスや広告管理ツールを組み合わせると、広告経由のユーザー行動(滞在時間・離脱率・購入率など)まで可視化でき、データドリブンな意思決定をサポートします。
バナー広告のデメリット
広告ブロックの影響を受けやすい
バナー広告は、ユーザーが導入している広告ブロック(Ad Blocker)ツールによって表示されないことがあります。特にPCブラウザやスマートフォンアプリでは、広告を自動的に非表示にする設定が一般的になっており、広告の表示機会そのものが減少してしまうケースがあります。結果として、本来リーチできるはずのユーザーに訴求できず、配信効果が限定的になることもあります。
このような環境変化に対応するには、広告ブロックの影響を受けにくい媒体を選ぶほか、ユーザー体験を損なわないデザインやコンテンツ連動型広告(ネイティブ広告)を活用するなどの工夫が求められます。
クリック率(CTR)が低下しやすい
バナー広告はインターネット上に数多く表示されているため、ユーザーが「見慣れてしまう」傾向があります。これを「バナーブラインドネス」と呼び、広告枠を自然と視界から外してしまう現象です。その結果、クリック率が低下しやすく、広告の反応が得られにくくなります。
ただし、動きのあるアニメーションや動画を用いたり、ターゲットの関心に合わせたデザインにしたりすることで改善できる場合もあります。クリック率(CTR)の数字だけに頼らず、視認・印象・認知の効果まで考慮しましょう。
クリエイティブの質が成果に直結する
バナー広告は、デザインやコピーの質によって成果が大きく変わるという特徴があります。
ターゲットや目的に合っていないデザインでは、どれだけ多く配信しても反応が得られにくく、クリック率やコンバージョン率の低下につながります。
効果を高めるには、目的(認知・購買など)を明確にし、訴求軸やデザインテイストを検証しながら改善を重ねることが大切です。
定期的なA/Bテストを行い、成果の出るクリエイティブを磨いていく運用姿勢が求められます。
誤クリックによる離脱も発生
特にスマートフォンでは、誤タップによるクリックが発生しやすい点もデメリットです。誤ってクリックされた場合、ユーザーはすぐに離脱することが多く、広告の費用対効果が下がる要因となります。
見かけ上はクリック数が増えても、実際の購買や問い合わせにつながらないケースが多いため、質の高いアクセスを意識した設計が必要です。
タップ位置やサイズを調整する、誘導先ページを最適化するなど、ユーザー体験を重視した改善が欠かせません。
バナー広告の主要なサイズ
バナー広告にはさまざまなサイズがありますが、以下、主要なサイズを解説します。
配信先やデバイスに合わせて最適なサイズを選ぶことで、表示崩れや機会損失を未然に防ぐことができます。
バナー広告の形状やフォーマット
バナー広告は、横長・縦長・正方形などの形状があり、静止画・アニメーション・動画・HTML5などフォーマットも多様化しています。配信面や目的に応じて最適な形状・フォーマットを選びましょう。
| 名称 | サイズ(px) | 主な用途 |
| リーダーボード(ビッグバナー) | 728×90 | ページ上部・下部 |
| ミディアムレクタングル | 300×250 | サイドバー・記事中 |
| ラージレクタングル | 336×280 | 記事下・サイドバー |
| ハーフページ | 300×600 | サイドバー |
| モバイルバナー | 320×100 | スマートフォン |
オンラインバナー広告のプラットフォーム別サイズ
| プラットフォーム | 推奨サイズ |
| Google広告 | 300×250、728×90、160×600、320×100など |
| Yahoo!広告 | 300×250、728×90、468×60など |
| Facebook広告 | 1200×628、1080×1080など |
| Instagram広告 | 1080×1080、1080×1920など |
バナー広告の制作手順
1. 目的とターゲットの設定
まず最初に、バナー広告を作る「目的」を明確にします。「新商品の告知」「会員登録促進」「キャンペーン参加」など、ゴールが異なれば訴求方法も変わります。
ターゲット層(年齢・性別・興味関心・利用媒体)を具体的に設定することで、デザインの方向性が定まります。
2. コンセプト・構成の設計
次に、どんなイメージで訴求するかのコンセプトを固めます。「上質感を出したい」「親しみやすくしたい」「限定感を出す」など、目的に沿ったトーンを選びます。
また、要素の配置を考えるためのラフ(ワイヤーフレーム)を作成し、視線誘導やバランスを確認します。
3. デザイン制作
Photoshop、Illustrator、Canva、Figmaなどのツールを使って実際にデザインを作成します。このとき重要なのは、「画像・テキスト・CTAボタンのバランス」です。
情報が多すぎるとクリック率が下がるため、最も伝えたいメッセージを中央や目立つ位置に配置します。
4. 校正・表示チェック
誤字脱字や色味の確認だけでなく、PC・スマホなど異なるデバイスでの見え方を必ず確認します。
複数案をテスト配信し、クリック率(CTR)を比較するA/Bテストを行い、より効果的なデザインを見極めるのもいいでしょう。
5. 配信・効果測定
バナー広告は作って終わりではありません。
広告配信後は、CTRやCVR(コンバージョン率)、表示回数、CPAなどを分析し、データに基づいた改善を続けることが大切です。
バナー広告で成果を上げるためのポイント

目的を明確にする
バナー広告を配信する前に、まず広告の目的とターゲット層を明確にすることが欠かせません。「認知拡大」「資料請求」「購買促進」など、目的によって適切な訴求内容やデザイン、配信媒体が変わります。
例えば、ブランド認知が目的であれば印象的なビジュアル重視の広告が有効ですが、コンバージョン(購入・申込)を狙うなら、限定キャンペーンや価格訴求などの明確なメリットを打ち出す方が効果的です。また、ターゲットの属性(年齢・性別・興味・利用デバイスなど)をできるだけ具体的に設定し、配信面を最適化することで、無駄のない広告運用が可能になります。
クリックしたくなるデザイン・コピーを工夫する
バナー広告は視覚的な情報が中心のため、数秒でユーザーの興味を引くデザインとコピーが重要です。視線を集めるために、明暗やコントラストを意識したレイアウトを採用し、文字情報はできるだけ簡潔にまとめましょう。
また、コピーでは「今だけ」「無料」「限定」「簡単」など、ユーザーの行動を促す言葉を効果的に取り入れることがポイントです。ただし、過度な誇張や紛らわしい表現はかえって離脱を招くため、信頼感のある訴求トーンを保つことが大切です。デザインとテキストのバランスを意識し、複数案を比較しながら最適化していくことが成功への近道です。
配信媒体とフォーマットを最適化する
同じバナー広告でも、配信先の媒体によって成果は大きく変わります。
GoogleディスプレイネットワークやYahoo!広告では広範囲への配信が得意ですが、InstagramやX(旧Twitter)などのSNS広告は、興味関心に基づくターゲティングが強みです。さらに、媒体ごとに推奨されるサイズやフォーマットが異なるため、プラットフォームの特性を理解し、ユーザーが違和感なく閲覧できる形式を選ぶことが大切です。
例えば、SNSでは縦長・スクエア型などスマホに最適化されたサイズが好まれ、ディスプレイ広告では横長のレクタングル型が主流です。媒体特性を踏まえて設計することで、クリック率・認知効果の両面を高めることができます。
ユーザー体験を損なわない設計を意識する
短期的なクリックを狙うだけでなく、ユーザーにとってストレスのない体験を設計することも重要です。誤クリックを誘発するような配置や、遷移先ページが重すぎる構成は避けるべきです。広告をクリックした後、スムーズに情報が得られるようにすることで、信頼性やブランド好感度も向上します。
また、広告と遷移先の内容が一致していないと、離脱率が高まり、コンバージョンにも悪影響を及ぼします。ユーザー視点に立った導線設計を意識することで、一時的なクリックではなく、成果につながる接触を増やせます。
AIを活用したバナー広告制作の可能性

近年、Webマーケティングの分野において、AI(人工知能)はバナー広告の制作と運用を劇的に変える可能性を秘めています。クリエイティブの質が成果に直結するバナー広告において、AI技術は特に「制作効率の向上」と「成果の最大化」という二つの側面で大きな貢献を始めています。
制作効率を向上させるAI
AIは、特に以下の点で制作プロセスを効率化します。
- 自動デザイン生成(ジェネレーティブAI): デザイナーが簡単な指示(プロンプト)を与えるだけで、ターゲットや目的に合った色、レイアウト、画像を持つバナー案を瞬時に大量に生成できます。結果的に、デザインの初期検討にかかる時間とコストを大幅に削減できます。
- サイズ・フォーマットの自動調整: 配信プラットフォームごとの複雑なサイズ規定(300×250、728×90など)に対し、AIが自動で最適なトリミングや要素配置を行い、多種多様なフォーマットのバナーを一括で出力します。
クリエイティブの最適化
AIは、過去の配信データやトレンドを分析し、人間では発見しにくい法則性を見つけ出すことで、より高い成果につながるクリエイティブを提案します。
- クリエイティブ分析と予測: 過去のクリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)のデータを分析し、「どの色使い、コピー、画像が最も効果的か」を定量的に判断します。さらに、新しいデザイン案に対して、配信前に成果を予測することも可能です。
- パーソナライズの強化: ターゲットユーザーの興味関心や行動履歴に基づき、一人ひとりに最適化されたコピーやビジュアルを持つバナーをリアルタイムで生成・配信します。「バナーブラインドネス」の解消にもつながり、クリック率の低下を防ぎます。
AIの活用はまだ進化の途上にありますが、バナー制作のスピードアップにつながるでしょう。また、データに基づいた意思決定をサポートすることで、広告運用を次の段階へと押し上げています。ただし、AIが生成したクリエイティブには最終的な人間のチェックが不可欠であることは、留意すべき点です。
まとめ
バナーは、ユーザーの目を引き、メッセージを短時間で伝えるための非常に効果的な手段です。一枚の画像や動画の中にブランドの印象や商品の魅力、そして行動を促す要素を詰め込み、テキスト広告にはない訴求力を発揮します。
特に、広告バナー制作の際はまず目的を明確にし、ターゲットがどんな情報を求めているのかを意識することが大切です。媒体ごとのサイズや特徴を理解し、シンプルで視覚的にわかりやすいデザインを心がけることで、クリック率やコンバージョン率の向上につながります。さらに、配信後も効果測定を行いデザインやコピーを改善していくと、より成果を出せるバナーに育てていくことができます。
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