近年、オンラインショッピングの需要拡大により、EC売上をいかに伸ばすかが多くの企業にとって重要なテーマとなっています。本記事では、EC市場の最新動向から主要ECサイトの売上ランキング、そして今ECビジネスに参入するべき理由まで徹底解説します。これからEC事業を始める方も、既存事業を成長させたい方も、ぜひ参考にしてください。
EC市場とは

EC(電子商取引)は、インターネットを通じて商品・サービスの売買を行う仕組みです。現在ではBtoC(企業対消費者)、BtoB(企業間取引)、CtoC(消費者間取引)など多様な形態が存在し、年々市場規模は拡大の一途をたどっています。特にコロナ禍以降、オンラインでの購買行動が定着し、EC市場の成長は加速しています。日本国内だけでなくグローバルでもECの存在感は高まっており、今後もその市場拡大が見込まれています。
ECに参入すべき理由
今、ECに参入する大きな理由は「市場の拡大」と「売上拡大のチャンス」です。店舗ではリーチできなかった全国、さらには海外の新規顧客にもアプローチできます。広告やコンテンツマーケティング、SNS活用などデジタルマーケティング施策と組み合わせることで、自社ブランドの成長戦略を描くことができます。
また、消費者のニーズが多様化する中、ECでしか表現できないサービス展開やユーザー体験の提供も期待されます。データ分析による顧客理解、在庫最適化、販促施策の最適化も図れるため、中長期的な売上アップが見込めます。
EC売上ランキング
ECサイトの“売上ランキング”を把握することは、市場動向や競合の分析に大いに役立ちます。
日本ネット経済新聞によると、2025年版のネット通販売上ランキングは、
1位がアマゾンジャパン、2位アスクル、3位モノタロウ、4位楽天24(楽天グループ直販事業)、5位ヨドバシカメラ、6位ヤマダデンキ、7位大塚商会、8位MiSUMi-VONA、9位のユニクロ、10位のビックカメラとなっています。
変化の早いEC業界の中で、さまざまな業界、大手から中小・新興企業までとランクが揃いました。
参考URL:【2025年版】「ネット通販売上高ランキング
1位:アマゾンジャパン 4兆1375億円
圧倒的な品揃えとスピーディーな配送サービスが特徴の総合オンラインモールです。書籍から日用品、家電まで幅広いジャンルを取り扱い、Prime会員向けの特典や利便性の高さが強みです。
2位:アスクル/LOHACO 4120億円
「明日来る(あすくる)」という名前の通り、スピーディーな配送と豊富な商品ラインナップで、多くの企業から支持を受けています。現在は医療機関や工場向けの商品も展開。LOHACO(ロハコ)は、アスクルが運営する個人向け日用品ECサイトで、メーカーと共同開発した限定商品やサステナブルな商品ラインにも注力。
3位:モノタロウ 2881億円
製造業・工事業・自動車整備業などの現場で必要な工具・部品・消耗品・事務用品の品揃えがとにかく豊富。また、当日出荷が71万点、3500円(税別)以上配送料無料など現場を支えるネットストアというだけにかゆいところに手が届くサービスが売り。
国内ECサイト増加傾向
上記のランキングからEC業界の変化を感じ取ることができるでしょう。中小から大企業、大手小売店まで幅広いプレイヤーがオンラインに参入し、競争が激化しています。変化の速いEC業界では独自の強みやブランディングを活かすことが、効果の上がるEC運用につながるようです。
越境ECサイトの成長率
一方、国内市場だけでなく、越境EC(Cross-Border EC)にも注目が集まっています。越境ECとは、国境を越えて商品やサービスを販売・購入する電子商取引のことです。近年はインターネットの普及により、海外消費者へ直接販売するケースも増加。中国・アメリカをはじめとした巨大市場へのアプローチが可能となり、日本企業が越境ECで大きく売上を伸ばす事例も多数報告されています。
例)2023年に越境ECで購入した日本製品の金額は、中国のユーザーが2兆4301億円で、アメリカユーザーは1兆4798億円です。さらに前年からの市場成長率を見ると、中国向けが7.7%、アメリカ向け13.3%で国内Bto C市場よりも成長率が高くなっています。そのことからも今後中国・アメリカの越境ECは魅力ある市場といえるでしょう。
EC売上アップの具体施策

ECビジネスの「売上」を大きく伸ばすためには、多角的な集客・販促施策が欠かせません。ここでは、特にサイトへの訪問者数を増やすための有効な手法をご紹介します。
施策:サイト訪問数増加
まずは、新規・リピーターともに多くの顧客に自社サイトへ訪れてもらうことが、売上アップの原点です。多様なチャネルを活用し、継続的・効果的にトラフィックを集めていく必要があります。
WEB広告
Google広告やYahoo!広告、Instagram・Facebook・X(旧Twitter)といったSNS広告など、ターゲットに合わせたWEB広告活用は即効性の高い集客策です。予算や商材に応じて運用型広告やリターゲティングを使い分けることで、購買意欲の高いユーザーへ効率良くリーチできます。また、クリエイティブのABテストや配信データの分析も売上最大化のカギです。
SNS活用
Instagram・X・TikTokなど主要SNSは、商品の認知拡大・ファンづくり・コミュニケーション強化に最適なツールです。ユーザー参加型のキャンペーンや、インフルエンサーとのコラボ、商品レビュー動画のシェアなどを活用すれば、新しい層への拡散力も期待大です。SNS投稿とECサイトのリンク連携も忘れずに行いましょう。
SEO対策
検索エンジン最適化(SEO)は、長期的に安定したサイト流入を生み出すための土台です。ターゲットとなるキーワードをコンテンツに的確に盛り込み、信頼性・網羅性の高い記事や商品説明ページを充実させます。また、サイト構造の最適化や ページ表示速度向上、モバイル対応も、検索順位向上・ユーザー満足度アップの両面で欠かせません。
メルマガ配信
メールマガジンはリピーター育成や新商品の案内、セール情報の告知など、顧客との直接的な関係構築に効果的です。セグメント配信を活用して一人ひとりに合った情報を届けることで、開封率やクリック率を高め、最終的にはコンバージョン(購入率)の向上につながります。クーポンや限定情報などのインセンティブを活用することもおすすめです。
UI/UX
優れたUI(ユーザーインターフェース)とUX(ユーザー体験)は、「売れるECサイト」の必須要素です。使いやすいナビゲーション、分かりやすい商品説明、簡単な購入フロー、安心感のあるデザインなどがユーザー満足度を高め、離脱防止・購入率アップに貢献します。レビュー機能やチャットサポートなども追加で導入すると良いでしょう。EC化率が高まる中、UIUXの差が売上アップの決め手となるケースも増えています。
施策:CVR向上
ECサイトで売上を伸ばすには、単純なアクセス数の増加だけでなく「CVR(コンバージョン率)」=“訪問者のうち何%が実際に購入に至るか”の向上が不可欠です。CVRが改善すれば、現状の集客パワーでも売上がアップするため、費用対効果が改善します。ここでは、今すぐ実践できるCVR向上の具体施策について詳しく解説します。
フォーム一体型LP
フォーム一体型ランディングページ(LP)は、商品説明から購入フォームまでが1ページ内で完結しています。これによりユーザーは情報を読みながらスムーズに注文入力画面へ進むことができ、「購入までの心理的・操作的ハードル」が大幅に下がります。
例えば健康食品や美容コスメなど、初回購入のハードルが高い商品ジャンルでは、縦長の1カラムLPで魅力やメリット・口コミ等を順に伝え、そのまま下部に注文フォームを配置します。ステップを極限まで減らした結果、申込完了率が30~50%アップした事例も多数報告されています。ユーザビリティ確保のためには、入力欄の必須/任意の明確化や、フォームエラー時のサポート表示も併用すると効果的です。
株式会社ゼネラルアサヒでは、健康食品や美容関連のLP制作において豊富な実績がございます。具体的な事例につきましては、ご相談や打ち合わせ時に詳しくご紹介させていただきます。LP制作をご検討の際は、ぜひ株式会社ゼネラルアサヒにお任せください。
離脱防止ポップアップ
ECサイト運用で見逃せないのが“離脱ユーザー対策”です。特に「カートに商品を入れたのに買わずに離脱」するカゴ落ちユーザーは、取りこぼしを減らせば大きな売上インパクトがあります。ここで役立つのが「離脱ポップアップ」施策です。
購入ボタンの手前でページを閉じようとした瞬間に「今だけ10%OFFクーポンをプレゼント」「本日注文で送料無料」といった訴求内容のポップアップを表示。多くのサービスで平均して3〜6%程度のCVR改善効果が報告されています。導入時は、過剰な表示で逆に離脱が増えないよう、タイミングや頻度にも注意しましょう。
決済手段の選択肢を増やす

ユーザーが「欲しい」と思っても、希望する決済手段がなければ成約への大きな障壁になってしまいます。EC売上げ上位企業をみると、クレジットカード、PayPay、d払い、楽天ペイ、コンビニ決済、後払い(Paidy)など多種多様な決済方法へ柔軟に対応しているのが特徴です。
2024年のSBペイメントサービス株式会社の調査によると、購入を中断した理由として「使いたい決済手段がない」が上位に挙がっています。よく利用する決済手段がない場合、男女とも55%以上がECサイトでは購入せず離脱する傾向があることが分かりました。これらを踏まえて複数の決済方法を用意すれば、幅広い層の取りこぼしを最小限にできますし、特定の決済キャンペーンを活用することで新規獲得にもつなげられます。
参考URL:【2024年度版】5回目となる決済手段のEC利用実態調査結果を公開
チャットボット等の活用
ユーザーが購入直前や比較検討時に感じる「疑問や不安」をその場で解消できれば、コンバージョン率は大きく向上します。そこで効果的なのが、AIチャットボットやライブチャットの導入です。よくある質問への自動対応や在庫確認、商品提案を即時サポートし、カスタマー対応の負担を軽減しつつ24時間顧客満足度を高めます。
とくに高単価商品やギフト需要の高いカテゴリーでは、リアルタイムで対応できる安心感が後押しとなり、実店舗並みの接客体験を提供できます。チャット履歴によるニーズ分析やFAQの継続的強化も重要です。
カゴ落ち対策
カゴ落ちユーザーに対する“再アプローチ”も売上改善に直結します。代表的な施策は「リマインドメール」や「カゴ落ち特典の配布」です。カート内に商品が残っていることをお知らせしつつ、割引・送料無料バナーなどを併用すると再訪・購入の動きが促進されます。
たとえばリマインドメールの場合、最初は数時間後・次は24時間後、その後1週間以内など時期を分けて配信すると効果的です。実際、平均開封率30%超、コンバージョン率も通常の2〜3倍となるケースも珍しくありません。過去データを活用し、定期的にABテストで最適化を図るのがコツです。
施策:ユーザーの平均購入単価の向上
客単価(1回注文あたりの購入金額)は、EC売上げのもうひとつの重要なテコです。同じ流入数・CVRでも、1人がたくさん購入すれば、サイト全体の売上は大きく伸びます。ここでは、ユーザーの平均購入単価を高めるための施策を解説します。
送料無料の条件設定
「○○円以上で送料無料」といった条件設定は、定番ですが今も有効な客単価アップ施策です。消費者心理として“送料が気になる”“せっかくだから送料無料まで買い足したい”という行動が顕著に表れます。
具体的には、現在の平均購入額よりやや高めのライン(例:平均4,000円なら5,000円など)に設定することで、「あと1点追加しよう」など追加購入が生まれやすくなります。サイト上で「あと○○円で送料無料」など進捗が見える工夫も有効です。施策導入後、客単価が10~20%増加した事例も多く紹介されています。
セット販売
セット販売とは、複数商品や関連商品を組み合わせてお得なバンドルにする手法です。単品で買うよりもボリューム感や価格メリットを伝えることで、“ついで買い”“まとめ買い”を自然に誘発します。
食品ECでの「ご飯もの+おかず+スープの3点セット」、美容ECでの「シャンプー+トリートメント+ヘアオイルのケアセット」などが典型的な例です。季節性やシーン提案を掛け合わせるとさらに効果大で、「新生活応援セット」「暑い夏対策セット」など具体的な用途を訴求すれば客単価向上に直結します。
クロスセル
クロスセルとは、ユーザーの閲覧商品・カート内商品に関連した“次の一品”を提案する販促手法です。商品紹介ページや決済直前ページ、注文完了後メールなど、接点ごとにおすすめ商品をピックアップして掲載することで「ついで買い」を促進できます。
よく見かけるのは「この商品を見ている人はこちらも購入しています」「一緒によく買われている商品」など表示文言を工夫すると流入増が期待でき、全体の客単価が数%単位で上昇した事例も多くあります。 AIによるレコメンドエンジン活用や、季節・トレンドを反映した手動設定でのチューニングもおすすめです。
会員ランク
会員ランク制度は、ユーザーの累計購入金額や回数に応じて“ランク”を付与し、特典や割引、ポイント還元、限定サービスなど差別化された価値を提供する仕組みです。上位ランク昇格を目指して購買意欲が刺激されることで、リピート回数や1回あたりの購入金額増につながります。
特別感を演出した「ゴールド会員は毎月5%OFF+バースデークーポン」など具体的な特典設定や、「半年間で○回購入でランクアップ」など明確な基準を設けることで顧客の動機づけとなり、他社ECとの差異化ポイントにもなります。会員限定イベントや早期セール情報など“優越感”や“特別感”を与えるとロイヤルティも向上しやすく、長期安定売上の基盤となります。
このように、「ec 売上げアップ」の観点では【CVRを高める】【客単価を上げる】という両軸でPDCAを継続するのが成功のカギです。それぞれの施策は一度導入して終わりではなく、効果測定やABテストなどでサイトごとの最適化を繰り返しましょう。売上を最大化するには、最新のユーザーニーズや業界トレンドも常にキャッチアップする姿勢が大切です。
あわせて読みたい!「成功するECサイト運用のために必要なスキルと知識」
EC売上の改善をサポート

何から対策してよいかわからない、リソースが足りない、などの小さなお悩みは、ぜひお気軽にご相談ください。これまで多くのお客様から「売上が伸び悩んでいる」「集客やリピート対策がうまくいかない」「競合と差をつけたい」といったお悩みをいただいてきましたが、私たちはそのひとつひとつに丁寧に向き合い、最適な解決策を提案してきました。
株式会社ゼネラルアサヒでは、お客様の課題に沿ったEC事業コーチングも行っております。
EC売上アップの専門家が徹底サポート
最新のマーケティング手法やEC業界トレンドに精通したスタッフ、また裏付けデータのご提示が可能です。SEO対策やコンテンツマーケティング、SNS活用、広告運用、UI/UXの改善、CVR向上策、リピーター獲得施策、そして運営効率化まで、EC売上アップに必要な様々な施策をワンストップでご提案します。
貴社に合わせたオーダーメイドの戦略
売上アップの成功パターンは業種・業態・商材・顧客層によって異なります。私たち株式会社ゼネラルアサヒでは貴社の現状やご希望、競合状況を丁寧にヒアリングし、マーケット分析に基づくオーダーメイド戦略を立案します。小規模なネットショップから大規模なECモールまで、ご予算やリソース状況に応じて最も費用対効果の高いご提案が可能です。

まとめ
ECサイトの売上アップには「集客の拡大」「CVR(コンバージョン率)の向上」「客単価アップ」の三本柱が重要です。WEB広告やSEO、SNS活用でサイト訪問者を増やし、フォーム一体型LPや離脱ポップアップ、決済手段の充実などで購買率を上げることが欠かせません。
また、「○円以上送料無料」やセット販売、クロスセル、会員ランク制度といった工夫で1人あたりの購入額も増やせます。各施策を組み合わせてPDCAを回し、顧客目線での最適化を継続することが、安定した売上成長のカギとなります。
株式会社ゼネラルアサヒの強みは、ECサイト構築や運営だけでなく、集客・販促・CRM分析・サイト改善・物流・カスタマー対応問題まで、売上成長の障壁をワンストップで解決できることです。さらには、制作後の分析・提案・実行・効果測定・改善といった伴走型サポートも丁寧に継続いたします。
まずはお悩みやお困り感をヒアリングさせていただき、最適なソリューションへのご提案をいたします。お気軽にご相談ください。