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Webサイトの成功を左右する重要な指標、それが「直帰率」です。多くの企業が苦心するこの数値は、サイトの健康状態を映し出す鏡のようなものです。本記事では、直帰率の本質的な理解から改善戦略まで、実践的なノウハウを徹底解説します。

Googleアナリティクス(GA)などのツールで簡単に確認できる直帰率ですが、その背後にある本当の意味を理解している企業は実は少ないのが現状です。直帰率は単なる数字ではなく、ユーザーの行動を示す貴重な情報源といえます。読み進めていくと、直帰率が自社サイトの課題発見となり、改善方法へつながるでしょう。

直帰率とは?

Webサイトの成功を測る重要な指標である「直帰率」は、その定義が時代とともに変化しています。

かつて主流だったUA(ユニバーサルアナリティクス)と、現在主流のGA4(Googleアナリティクス4)では、直帰率の算出方法が根本的に異なります。この違いを理解することが、データを正しく読み解くための第一歩です。

離脱率との違い

直帰率を説明する中で、離脱率という言葉もよく耳にします。ここでは、直帰率と混同しやすい離脱率についても紹介しておきます。実は、この2つの言葉には明確な違いがあります。

離脱率は、特定のページを最後に離脱するセッションの割合を意味します。

つまり、直帰率は「最初のページで去っていく」状態を示し、離脱率は「サイト内を一定程度回遊した後に去っていく」状態を示す指標です。Web分析において、この両方を分析することが重要です。サイトの入口と出口、それぞれの課題を特定するのに役立ちます。

GA4(Googleアナリティクス4)における直帰率

現在主流となっているGA4では、直帰率の定義が根本的に変更されました。従来のUA(ユニバーサルアナリティクス)とは大きく異なる考え方が採用されています。

GA4では、従来の直帰率の定義が大きく変更されました。GA4の直帰率は、「サイト内でユーザーがエンゲージメントを示さなかったセッションの割合」として定義されます。

エンゲージメントセッションとは、以下のいずれかの条件を満たしたセッションのことです。

  • 10秒以上ページに滞在した(※デフォルト設定、カスタム変更可能)
  • 2ページ以上閲覧した
  • コンバージョンイベント(商品の購入、資料請求など)を発生させた

※10秒以上滞在の条件はGA4のデフォルト設定ですが、カスタムで変更可能です。

これらの条件を一つも満たさなかったセッションが「直帰」とみなされます。この新しい定義によって、GA4ではユーザーの「質の高い行動」をより正確に評価できるようになっています。

参考:アナリティクスヘルプ

GA4の直帰率計算方法

GA4の直帰率は、以下の計算式で求められます:

直帰率 = (1 – エンゲージメント率)× 100

エンゲージメント率の計算式:

エンゲージメント率 = エンゲージメントセッション数 ÷ 全セッション数 × 100

計算例

サイトに100人が訪問し、そのうち70人が上記のエンゲージメント条件のいずれかを満たした場合

エンゲージメント率:70%

直帰率:(1- 0.7)× 100 = 30%

UA(ユニバーサルアナリティクス)における直帰率

参考までに、UAにおける直帰率の定義も紹介します。

UAの直帰率は、「1ページだけ見て離脱したセッションの割合」と非常にシンプルです。ユーザーがサイト訪問後、他のページに移動したり、イベント等を発生させないまま離脱した場合、そのセッションが「直帰」となります。

UAの直帰率計算方法

直帰率=直帰セッション数÷全セッション数×100

直帰セッション:サイト内で1ページしか見ずに離脱したセッション(訪問)のことです。

全セッション:サイトへのすべての訪問のことです。

例えば、サイトに100人が訪問し、そのうち60人が1ページだけ見て離脱した場合、直帰率は60%になります。

このように、UAとGA4では直帰率の算出方法が大きく異なります。また、GA4の直帰率は「エンゲージメント」を基準としているため、UAのデータと単純な比較はできません。そのため、各バージョンにおける定義を理解した上で、データを分析することが重要です。

Googleアナリティクスで直帰率を確認する

それでは、実際にGA4を使って自社サイトの直帰率を調べてみましょう。

GA4での直帰率確認手順:

1. レポート → エンゲージメント → ページとスクリーン

2. 指標で「直帰率」を選択

3. 期間比較で傾向を確認

直帰率の平均率は?業界別の目安は?

直帰率の平均値はサイトのジャンルや業種、ページの性質によって大きく異なります。例えばBtoBサイトでは40〜60%、ECサイトやニュースメディアでは60〜80%が平均的といわれています。

ただし、重要なのは自社の過去データとの比較や、訪問者の行動・質を考慮した判断です。

以下のような場合はすぐに改善が必要でしょう。

  • 同じページでも改修後に直帰率が高くなってしまった場合
  • 広告運用を変更後、直帰率が高くなった場合

前述した通り、GA4とUAの算出方法は異なります。そのためGA4では、UA時代よりも直帰率の数値は低くなる傾向にあります。高すぎれば改善を検討し、異常に低い場合は計測ミスの可能性もあるため、最新のGoogle GA4仕様を踏まえた確認をしましょう。

直帰率が高くなる理由

直帰率の高さは、ユーザーがウェブサイトに訪れたものの、期待していた情報や快適な体験が得られず、すぐに離脱してしまったことを意味します。この問題は、単にアクセスが少ないだけでなく、ビジネス全体に深刻な悪影響を及ぼす可能性があります。

コンテンツの不一致

検索や広告経由でサイトにたどり着いたユーザーが、期待していた情報とページ内容が異なっていると感じると、すぐに離脱してしまいます。高い直帰率は、キーワードとコンテンツの関連性が低い、あるいは提供している情報がユーザーのニーズを満たしていないことの現れです。

UXの悪化

ページの読み込み速度が遅い、ナビゲーションがわかりにくい、モバイルでの表示が崩れているなど、ユーザーにとって使いにくいサイトは直帰率を押し上げます。こうしたUXの問題は、ユーザーの不満を増大させ、サイトの信頼性を損ないます。結果として、商品購入や問い合わせといったコンバージョン機会を失うだけでなく、ブランドイメージの低下にもつながりかねません。

SEO(検索エンジン最適化)への間接的影響

直帰率が直接的にSEOのランキング要因であるか明確な情報はありませんが、間接的な影響は否定できません。Googleなどの検索エンジンは、ユーザーが検索結果をクリックした後の行動を評価していると考えられています。ユーザーがすぐに離脱する(直帰率が高い)ということは、そのページがユーザーの検索意図を満たしていないと判断され、検索ランキングが下がる可能性があります。

直帰率が高いページは、サイト改善のための重要な手がかりです。なぜユーザーがすぐに離れてしまったのか、その原因を詳しく分析してみましょう。コンテンツ・デザイン・技術的な問題点を洗い出し、一つひとつ改善策を立てることで、より良いサイト改善を目指します。

こうした地道な分析と改善の積み重ねが、ユーザーにとって満足度の高い体験を生み出し、結果としてビジネスの成長につながるのです。

改善効果が高いページの見つけ方

改善効果が高いページの見つけ方

直帰率を改善するためには、やみくもにすべてのページを修正するのではなく、特に改善効果が高いページを特定することが重要です。以下の3つの基準で、優先して改善すべきページを見つけ出すことができます。

1. コンバージョン(CV)を基準に考える

サイトの最終的なゴールである「コンバージョン」に直結するページ(例:商品購入ページ、資料請求ページ)で直帰率が高い場合は、最優先で改善が必要です。これらのページでユーザーが離脱しているということは、売上や成果に直接的な悪影響を及ぼしているため、早急な対策が求められます。

2. 滞在時間を基準に考える

GA4でページの平均滞在時間を確認し、直帰率の数値が高くなくても、滞在時間が極端に短いページを見つけ出します。たとえ直帰としてカウントされていなくても、ユーザーがページの内容をほとんど読まずに離れている可能性があり、コンテンツやデザインに何らかの問題があると考えられます。

3. 自然検索からの流入を基準に考える

自然検索(オーガニックサーチ)からの流入が多いにもかかわらず直帰率が高いページは、特に見直しが必要です。これは、ユーザーが検索したキーワードと、ページのコンテンツ内容が一致していない可能性を示唆しています。ユーザーの検索意図とページのコンテンツを改めて照らし合わせ、ズレを解消することで、直帰率を大きく改善できる可能性があります。

直帰率改善のための5つの施策

直帰率改善のための5つの施策

1.ページの読み込み速度を改善する

Webサイトの読み込みが遅いと、ユーザーは待つことにストレスを感じ、すぐに離れてしまいます。画像の圧縮、サーバーの応答速度向上、キャッシュの活用などによって、ページの表示速度を改善することは直帰率を下げるために非常に重要です。特にモバイルユーザーはページの読み込み速度に敏感なので、モバイルフレンドリーなサイト設計を心がけましょう。

2.コンテンツの質を高める

ユーザーが求めている情報にたどり着けない場合、直帰率は高くなります。検索キーワードや広告文とランディングページの内容に一貫性を持たせ、ユーザーのニーズを正確に満たす質の高いコンテンツを提供することが不可欠です。結論を冒頭に持ってくる、見出しを工夫して読みやすくするなどファーストビューの視認性を改善するのも一つです。ユーザーが短時間で情報を把握できるように工夫しましょう。

3.導線設計を見直す

ユーザーが次にどのページへ進めばいいか迷ってしまうと、離脱につながります。関連性の高い記事への内部リンクを設置したり、明確なCTA(Call to Action:行動喚起)ボタンを配置したりすることで、ユーザーを次の行動へと自然に促すことができます。サイト全体のナビゲーションをシンプルにし、ユーザーが直感的に操作できるデザインにすることも大切です。

4.モバイル対応を最適化する

スマートフォンの普及により、多くのユーザーがモバイルからウェブサイトにアクセスします。モバイルでの表示が崩れていたり、文字が小さく読みにくかったりすると、ユーザーはすぐにサイトを離れてしまいます。レスポンシブデザインを取り入れ、画面サイズに合わせてレイアウトが自動で最適化されるようにすることで、モバイルユーザーの直帰率を改善できます。

5.入力フォームを最適化する

コンバージョンに直結する入力フォームは、ユーザーの離脱ポイントになりがちです。入力項目を必要最小限に絞る、リアルタイムでエラー表示をする、入力例をわかりやすく示すなど、ユーザーがストレスなく入力できるような工夫をしましょう。また、オートコンプリート機能を活用して入力を簡略化したり、送信ボタンを大きく目立たせたりすることも、完了率を高める上で有効です。

まとめ

直帰率は単なるアクセス解析の一指標にとどまらず、サイトのページ品質やUX(ユーザーエクスペリエンス)を測る重要なWeb指標です。GA4をはじめとするツールで定期的にチェックし、なぜ直帰率が高いのか原因を分析しましょう。タイトルやコンテンツ、サイトの読み込み速度、内部リンクなど多角的に改善することで、より良いサイトになります。

また、SEOやコンバージョン、ビジネス目標との関連性も高いため、直帰率をKPIの一つとして活用しつつ、総合的なサイト評価や改善に役立ててください。わからないことや自社での改善が難しい場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

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