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売上機会を逃さない!カゴ落ち率改善で実現するEC成長戦略

売上機会を逃さない!カゴ落ち率改善で実現するEC成長戦略

ECサイトを運営していて、こんな悩みを抱えていませんか?「アクセス数は順調に増えているのに、なぜか売上が伸びない」「商品をカートに入れてくれるお客様は多いのに、購入完了まで至らない」。実は、これらの悩みの原因の多くは「カゴ落ち」にあります。

カゴ落ちとは、お客様が商品をカートに入れたにも関わらず、購入を完了せずにサイトを離脱してしまう現象のことです。世界的な調査によると、ECサイトの平均カゴ落ち率は約70%にも達するといわれています。つまり、10人がカートに商品を入れても、実際に購入するのは3人程度ということです。

この数字を改善できれば、新規集客に大きなコストをかけることなく、売上を大幅に向上させることができます。例えば、カゴ落ち率を70%から60%に改善するだけで、売上は約33%増加する計算になります。

本記事では、ECサイトのカゴ落ち率を改善するための5つの実践的対策を詳しく解説します。それぞれの対策について、なぜ効果があるのか、どのように実装すればよいのか、注意すべきポイントは何かを、具体例を交えながらお伝えしていきます。

カゴ落ちが発生する5大要因と業界平均データ

カゴ落ちが発生する5大要因と業界平均データの画像

ECサイトでカゴ落ちが発生する理由は様々ですが、大きく分けて5つの要因に集約されます。これらの要因を理解することで、自社のECサイトで何を優先的に改善すべきかが明確になります。

1. 予想外の追加費用(送料・手数料)

カゴ落ちの最大の要因は、チェックアウト段階で表示される予想外の追加費用です。Baymard Instituteの調査によると、カゴ落ちの約40%がこの要因によるものだといわれています。

お客様は商品ページで表示されている価格を基準に購入を検討しますが、カートに進んだ段階で送料や手数料が加算されると、「思っていたより高い」という心理的なギャップが生まれます。特に、送料が商品価格の10%を超える場合、カゴ落ち率が急激に上昇する傾向があります。

例えば、3,000円の商品を購入しようとしたお客様が、チェックアウト画面で800円の送料を見て購入を躊躇するケースは非常に多いです。この場合、実質的に26%以上の価格上昇となるため、購入意欲が大きく減退してしまいます。

2. アカウント作成の強制

多くのECサイトでは、購入時にアカウント作成を必須としていますが、これもカゴ落ちの大きな要因となっています。初めて訪れたサイトで、すぐに個人情報を登録することに抵抗を感じるお客様は少なくありません。

特に急いで商品を購入したいお客様にとって、アカウント作成は面倒な作業です。パスワードの設定、メールアドレスの確認、追加情報の入力など、購入完了までのステップが増えれば増えるほど、離脱率は高くなります。

実際のデータでは、ゲスト購入を許可しているECサイトと比較して、アカウント作成を強制するサイトではカゴ落ち率が約25%高いという結果が出ています。

3. 複雑なチェックアウトプロセス

チェックアウトプロセスが複雑で時間がかかることも、カゴ落ちの主要な要因です。一般的に、チェックアウトのステップ数が4つを超えると、各ステップごとに約10%のお客様が離脱するといわれています。

複雑なフォーム、不明確な進行状況表示、エラーメッセージの不親切さなどが、お客様のストレスを増大させます。特にモバイルデバイスでは、小さな画面での入力作業が困難なため、PC以上に簡潔なプロセスが求められます。

4. セキュリティへの不安

オンラインでクレジットカード情報を入力することに不安を感じるお客様は依然として多く存在します。特に、初めて利用するECサイトや、セキュリティ対策が不明確なサイトでは、この不安がカゴ落ちにつながります。

SSL証明書の表示がない、セキュリティバッジが見当たらない、プライバシーポリシーへのリンクが不明確など、信頼性を示す要素が不足していると、お客様は購入を躊躇します。

5. 配送オプションの不足

希望する配送方法や配送日時が選択できない場合も、カゴ落ちの要因となります。現代の消費者は、自分のライフスタイルに合わせた柔軟な配送オプションを求めています。

例えば、平日は仕事で受け取れないお客様にとって、週末配送や時間指定ができないことは大きな問題です。また、急いで商品が必要な場合に、速達オプションがないことで購入を諦めるケースもあります。

送料・手数料の表示タイミング最適化

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送料や手数料の表示方法は、カゴ落ち率に最も大きな影響を与える要因の一つです。適切なタイミングと方法で費用を提示することで、お客様の心理的な抵抗を最小限に抑えることができます。

早期表示の重要性

送料や手数料は、できるだけ早い段階でお客様に提示することが重要です。商品ページの段階で概算の送料を表示することで、お客様は総額を把握した上で購入を検討できます。

例えば、商品価格の近くに「送料別途600円」や「3,000円以上で送料無料」といった情報を明記することで、後になって驚かれることを防げます。これにより、カート画面での離脱を大幅に減少させることができます。

実際のA/Bテストでは、商品ページに送料情報を表示したグループは、表示しないグループと比較してカゴ落ち率が約15%低いという結果が出ています。

送料無料の心理的効果

送料無料は、オンラインショッピングにおいて非常に強力な購買動機となります。多くの調査で、消費者の約90%が「送料無料」を購入決定の重要な要因として挙げています。

ただし、単純に全商品を送料無料にすることは、収益性の観点から現実的ではありません。そこで、以下のような戦略的なアプローチが有効です:

条件付き送料無料の設定

「5,000円以上のご購入で送料無料」といった条件を設定することで、平均購入単価の向上と送料負担の軽減を両立できます。この閾値は、現在の平均購入単価の1.2〜1.5倍程度に設定すると効果的です。

送料込み価格の表示

商品価格に送料を含めて表示する方法も効果的です。例えば、2,500円の商品に500円の送料がかかる場合、「3,000円(送料込み)」として表示することで、追加費用への心理的抵抗を軽減できます。

期間限定の送料無料キャンペーン

定期的に送料無料キャンペーンを実施することで、購買意欲を刺激できます。特に、カートに商品を入れたまま離脱したお客様に対して、期間限定の送料無料オファーを提示することは効果的です。

送料計算ツールの活用

お客様が購入前に正確な送料を把握できるよう、送料計算ツールを導入することも重要です。郵便番号を入力するだけで送料が表示されるツールは、お客様の不安を解消し、購買決定を促進します。

特に、地域によって送料が大きく異なる場合や、商品のサイズ・重量によって送料が変動する場合には、このようなツールの重要性が増します。

プログレスバーの活用

送料無料までの残額を視覚的に表示するプログレスバーは、追加購入を促す効果的な手法です。「あと1,500円で送料無料!」といったメッセージとともに、進捗状況を表示することで、お客様の購買意欲を刺激できます。

実装のポイントとしては、カートページだけでなく、商品一覧ページや商品詳細ページにも表示することで、常にお客様の意識に送料無料の存在を印象付けることができます。

手数料の透明性確保

決済手数料や代引き手数料なども、送料と同様に早期に明示することが重要です。特に、決済方法によって手数料が異なる場合は、決済方法選択画面で各オプションの手数料を明確に表示する必要があります。

例えば、以下のような表示方法が効果的です:

  • クレジットカード決済:手数料無料
  • 代金引換:手数料330円
  • コンビニ後払い:手数料200円

このように一覧で表示することで、お客様は手数料も含めた総額を比較しながら、最適な決済方法を選択できます。

モバイル最適化の重要性

モバイルデバイスでの購入が増加している現在、送料・手数料の表示もモバイルに最適化する必要があります。小さな画面でも見やすく、タップしやすいデザインにすることで、情報の見落としを防げます。

具体的には、以下のような工夫が効果的です:

  • 折りたたみ可能な送料詳細情報
  • アイコンを使った視覚的な表示
  • スクロールに追従する送料無料までの残額表示

これらの最適化により、モバイルユーザーのカゴ落ち率を大幅に改善できます。

決済手段の充実と表示順序の工夫

決済手段の充実と表示順序の工夫の画像

決済手段の選択肢は、ECサイトの成約率に直接的な影響を与える重要な要素です。お客様の多様なニーズに応えられる決済オプションを用意し、それらを効果的に提示することで、カゴ落ち率を大幅に改善できます。

主要な決済手段とその特徴

現代のECサイトでは、様々な決済手段を提供することが求められています。それぞれの決済方法には独自の特徴があり、ターゲット層によって好まれる方法が異なります。

クレジットカード決済

最も一般的な決済方法であり、全体の約70%以上%を占めています。即時決済が可能で、事業者にとってもキャッシュフローの観点から有利です。ただし、セキュリティへの不安から敬遠するお客様も一定数存在します。

コンビニ決済

クレジットカードを持たない若年層や、オンラインでのカード情報入力に抵抗がある層に人気です。24時間いつでも支払いが可能な利便性が評価されています。

代金引換

商品を確認してから支払いたいという心理的安心感から、特に初回購入者に選ばれやすい決済方法です。ただし、手数料が発生することが多く、この点がネックとなることもあります。

後払い決済

近年急速に普及している決済方法で、特に若年層を中心に人気が高まっています。商品を受け取ってから支払えるという安心感と、与信審査が簡易的である点が支持されています。

電子マネー・QRコード決済

PayPayやLINE Payなどのモバイル決済は、スマートフォンでの購入において特に利便性が高く、今後さらなる普及が見込まれています。

決済手段の表示順序の最適化

決済手段の表示順序は、選択率に大きな影響を与えます。一般的に、最初に表示される決済方法が選ばれやすい傾向があるため、自社のターゲット層に合わせた順序設定が重要です。

データに基づく順序設定

過去の購買データを分析し、最も利用率の高い決済方法を上位に配置することが基本です。例えば、若年層がメインターゲットの場合は、後払い決済やコンビニ決済を上位に配置することで、成約率の向上が期待できます。

手数料を考慮した順序設定

事業者にとって手数料負担の少ない決済方法を上位に配置することも、収益性の観点から重要です。ただし、お客様の利便性を損なわない範囲で調整する必要があります。

決済画面のユーザビリティ向上

決済画面の使いやすさは、最終的な購入完了率に直結します。以下のような工夫により、ユーザビリティを向上させることができます:

視覚的な分かりやすさ

各決済方法にアイコンやロゴを付けることで、一目で識別できるようにします。また、選択中の決済方法をハイライト表示することで、現在の選択状態を明確にします。

必要情報の明確化

各決済方法で必要となる情報や手続きを事前に明示することで、お客様の不安を軽減できます。例えば、「コンビニ決済の場合、メールで送られる番号を店頭で提示してください」といった説明を添えることが効果的です。

エラー処理の改善

決済エラーが発生した際の対応は特に重要です。エラーメッセージを分かりやすく表示し、次のアクションを明確に示すことで、お客様の離脱を防げます。

セキュリティ対策の可視化

決済時のセキュリティは、お客様の最大の関心事の一つです。以下のような方法でセキュリティ対策を可視化することで、安心感を提供できます:

SSL証明書の表示

URLバーの鍵マークだけでなく、決済画面にもSSL証明書のバッジを表示することで、暗号化通信であることを強調します。

セキュリティ認証マークの掲示

PCI DSSやプライバシーマークなど、取得している認証マークを決済画面に表示することで、信頼性を高めます。

3Dセキュア認証の実装

クレジットカード決済において3Dセキュア認証を実装することで、不正利用のリスクを軽減し、お客様に安心感を提供できます。

決済手段の地域性への対応

グローバル展開を視野に入れる場合、地域ごとの決済習慣の違いを考慮する必要があります。例えば、中国向けにはAlipayやWeChat Pay、東南アジア向けにはGrabPayなど、現地で普及している決済手段への対応が求められます。

国内においても、地域によって好まれる決済方法に違いがある場合があります。都市部ではキャッシュレス決済の利用率が高い一方、地方では代金引換の需要が依然として高いといった傾向を把握し、適切に対応することが重要です。

決済手段の継続的な見直し

決済技術は急速に進化しており、新しい決済手段が次々と登場しています。定期的に決済手段のラインナップを見直し、お客様のニーズに合わせて更新していくことが重要です。

また、各決済手段の利用率や完了率をモニタリングし、パフォーマンスの低い決済方法については、表示順序の変更や削除を検討する必要があります。

カゴ落ちメール・リマインド施策の設計

カゴ落ちメール・リマインド施策の設計の画像

カゴ落ちメールは、一度は購入を検討したお客様に再度アプローチできる貴重な機会です。適切に設計されたリマインド施策は、カゴ落ちによる機会損失を大幅に回復させることができます。

カゴ落ちメールの基本戦略

カゴ落ちメールの成功は、タイミング、内容、頻度の3つの要素のバランスにかかっています。それぞれの要素を最適化することで、高い回収率を実現できます。

送信タイミングの最適化

カゴ落ち後の最初の1時間以内に送信するメールが最も効果的とされています。この時点では、お客様の購買意欲がまだ高く、商品への関心も維持されているためです。

一般的に推奨される送信スケジュールは以下の通りです:

  • 1通目:カゴ落ち後1時間以内
  • 2通目:24時間後
  • 3通目:72時間後

ただし、商材や顧客層によって最適なタイミングは異なるため、A/Bテストを通じて自社に最適なスケジュールを見つけることが重要です。

メール内容の工夫

カゴ落ちメールの内容は、お客様の離脱理由に応じてカスタマイズすることが効果的です。以下のような要素を含めることで、開封率と回収率を向上させることができます:

1. パーソナライズされた件名

お客様の名前や、カートに入れた商品名を件名に含めることで、開封率が約20%向上するというデータがあります。

2. カート内容の視覚的な表示

商品画像、商品名、価格を明確に表示し、ワンクリックでカートに戻れるようにすることで、購入再開のハードルを下げます。

3. 購入を促すインセンティブ

限定クーポンや送料無料オファーなど、購入を後押しするインセンティブを提供することで、回収率を大幅に向上させることができます。

4. 在庫状況の表示

「残りわずか」や「人気商品」といった情報を含めることで、緊急性を演出し、購入を促進します。

セグメント別アプローチ

すべてのカゴ落ちを同じように扱うのではなく、お客様の属性や行動に応じてセグメント化し、それぞれに最適なアプローチを行うことが重要です。

新規顧客向けアプローチ

初めてサイトを訪れたお客様には、ブランドの信頼性を訴求する内容を含めます。お客様の声、返品保証、セキュリティ情報などを強調することで、購入への不安を軽減します。

既存顧客向けアプローチ

過去に購入履歴のあるお客様には、ロイヤルティプログラムの特典や、購入履歴に基づいたレコメンドを含めることが効果的です。

高額商品カゴ落ち向けアプローチ

高額商品の場合、分割払いオプションの提示や、詳細な商品情報へのリンクを含めることで、購入決定をサポートします。

マルチチャネル戦略

メールだけでなく、複数のチャネルを活用することで、リマインド施策の効果を最大化できます。

SMS(ショートメッセージ)の活用

メールよりも開封率が高いSMSは、特に重要な商品や期間限定オファーの通知に効果的です。ただし、事前の同意取得が必要であり、頻度にも注意が必要です。

プッシュ通知の活用

アプリを提供している場合、プッシュ通知は即時性の高いリマインド手段として有効です。カゴ落ち直後の通知は特に効果的ですが、過度な通知は逆効果となるため注意が必要です。

リターゲティング広告との連携

カゴ落ちしたお客様に対して、他のウェブサイトやSNSでリターゲティング広告を表示することで、ブランドの想起を促すことができます。

自動化とパーソナライゼーション

カゴ落ちメール施策を成功させるためには、適切な自動化ツールの導入が不可欠です。マーケティングオートメーションツールを活用することで、以下のような高度な施策が可能になります:

動的コンテンツの生成

お客様の閲覧履歴、購入履歴、カート内容に基づいて、メールの内容を自動的にカスタマイズすることができます。

行動トリガーの設定

特定の行動(例:高額商品のカゴ落ち、複数商品のカゴ落ち)に応じて、異なるメールシーケンスを自動的に発動させることができます。

A/Bテストの自動化

件名、送信時間、コンテンツなどの要素を自動的にテストし、最適な組み合わせを見つけることができます。

法的配慮とベストプラクティス

カゴ落ちメール施策を実施する際は、法的な配慮も重要です。

オプトインの取得

メール送信には事前の同意が必要です。購入プロセスの中で、マーケティングメールの受信に関する同意を明確に取得する必要があります。

配信停止オプションの提供

すべてのメールに配信停止リンクを含め、お客様が簡単に配信を停止できるようにする必要があります。

プライバシーの保護

カート内容などの個人情報を含むメールを送信する際は、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります。

効果測定と改善

カゴ落ちメール施策の効果を正確に測定し、継続的に改善することが重要です。以下の指標を定期的にモニタリングすることをお勧めします:

  • メール開封率
  • クリック率
  • コンバージョン率
  • 売上回収額
  • ROI(投資収益率)

これらの指標を分析することで、施策の効果を定量的に評価し、改善ポイントを特定することができます。

効果測定と継続的な改善サイクル

効果測定と継続的な改善サイクルの画像

カゴ落ち対策の成功は、一度の施策実施で終わるものではありません。継続的な効果測定と改善サイクルの確立こそが、長期的な成果を生み出す鍵となります。ここでは、効果的な測定方法と改善プロセスについて詳しく解説します。

重要KPIの設定と追跡

カゴ落ち改善の効果を正確に把握するためには、適切なKPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的に追跡することが不可欠です。

カゴ落ち率

最も基本的な指標であり、「カートに商品を入れたが購入に至らなかったセッション数 ÷ カートに商品を入れた総セッション数」で算出します。業界平均と比較しながら、自社の位置づけを把握することが重要です。

カート到達率

サイト訪問者のうち、カートページまで到達した割合を示します。この指標が低い場合は、商品ページやサイト全体のユーザビリティに問題がある可能性があります。

チェックアウト完了率

チェックアウトプロセスを開始したユーザーのうち、実際に購入を完了した割合です。この指標を各ステップごとに細分化することで、離脱が多いポイントを特定できます。

平均カート放棄額

放棄されたカートの平均金額を把握することで、機会損失の規模を定量的に評価できます。高額商品のカゴ落ちが多い場合は、特別な対策が必要かもしれません。

回収率

カゴ落ちメールやリターゲティング施策によって回収できた売上の割合です。施策の直接的な効果を測る重要な指標となります。

データ収集と分析ツール

正確なデータ収集には、適切なツールの活用が欠かせません。

Google Analytics 4(GA4)

無料で利用できる強力な分析ツールです。eコマースイベント(拡張eコマース機能)を活用することで、購買ファネルの各段階での離脱率を詳細に分析できます。カスタムイベントの設定により、特定のアクション(例:送料表示、決済方法選択)での離脱も追跡可能です。 *関連記事もご覧ください

ヒートマップツール

HotjarやUser Insightなどのヒートマップツールを使用することで、ユーザーがページのどの部分で迷っているか、どこをクリックしようとしているかを視覚的に把握できます。チェックアウトページでの問題点を発見する際に特に有効です。

セッションリプレイツール

実際のユーザーの行動を録画・再生できるツールです。カゴ落ちしたセッションを詳細に分析することで、離脱の原因を具体的に特定できます。

カスタマーフィードバックツール

離脱時にポップアップでアンケートを表示し、離脱理由を直接聞くことも有効です。定量データだけでは分からない、お客様の本音を収集できます。

A/Bテストの実施方法

仮説に基づいた改善施策の効果を検証するには、A/Bテストが最も確実な方法です。

テスト対象の選定

一度に複数の要素をテストするのではなく、一つずつ要素を変更してテストすることが重要です。例えば:

  • 送料表示のタイミング
  • CTAボタンの文言や色
  • フォームフィールドの数
  • セキュリティバッジの配置

サンプルサイズの計算

統計的に有意な結果を得るために必要なサンプルサイズを事前に計算します。一般的に、最低でも各バリエーションで1,000セッション以上のデータが必要とされています。

テスト期間の設定

曜日や時間帯による偏りを避けるため、最低でも1週間以上のテスト期間を設けることが推奨されます。また、セールやキャンペーン期間を避けることも重要です。

結果の評価

単にコンバージョン率だけでなく、平均注文額、利益率なども含めて総合的に評価します。短期的な改善が長期的な顧客価値を損なわないかも考慮する必要があります。

改善サイクルの確立

PDCAサイクルを確立し、継続的な改善を実現することが重要です。

Plan(計画)

データ分析から得られた洞察に基づいて、改善仮説を立てます。例えば、「モバイルでのカゴ落ち率が特に高いのは、フォーム入力が困難なためではないか」といった具体的な仮説を設定します。

Do(実行)

仮説に基づいた改善施策を実装します。この際、技術的な実装だけでなく、関係部署との連携、スタッフへの周知なども重要です。

Check(評価)

実装後の効果を定量的に評価します。予想通りの結果が得られなかった場合は、その原因を分析し、次の仮説につなげます。

Action(改善)

成功した施策は標準化し、失敗した施策からは学びを得て、次のサイクルに活かします。

部門間連携の重要性

カゴ落ち改善は、マーケティング部門だけの課題ではありません。組織全体で取り組むことで、より大きな成果を得ることができます。

IT部門との連携

技術的な改善(ページ速度の向上、モバイル最適化など)には、IT部門の協力が不可欠です。定期的な情報共有の場を設けることが重要です。

カスタマーサービス部門との連携

お客様からの問い合わせ内容には、カゴ落ちの原因となる貴重な情報が含まれています。定期的にフィードバックを収集し、改善に活かしましょう。

物流部門との連携

配送オプションの充実や、配送情報の正確な表示には、物流部門との密な連携が必要です。

長期的な視点での取り組み

カゴ落ち率の改善は、短期的な施策だけでなく、長期的な視点での取り組みも重要です。

顧客体験全体の向上

カゴ落ちは、購買プロセスの最終段階で発生する問題ですが、その原因は必ずしもチェックアウトページだけにあるわけではありません。サイト全体の信頼性、商品情報の充実度、カスタマーレビューの質など、顧客体験全体を向上させることが、結果的にカゴ落ち率の改善につながります。

技術トレンドへの対応

決済技術やセキュリティ技術は日々進化しています。新しい決済方法(暗号資産、BNPL等)への対応や、より高度なセキュリティ対策の実装など、技術トレンドを常にウォッチし、適切なタイミングで導入することが重要です。

競合分析の継続

競合他社のチェックアウトプロセスを定期的に分析し、業界のベストプラクティスを学ぶことも重要です。ただし、単純に模倣するのではなく、自社の顧客特性に合わせてカスタマイズすることが大切です。

まとめ

ECサイトのカゴ落ち率改善は、売上向上に直結する重要な施策です。本記事で解説した5つの実践的対策を総括すると、成功の鍵は「お客様視点」と「継続的な改善」にあることがわかります。

まず、カゴ落ちが発生する根本的な要因を理解し、自社のECサイトでどの要因が最も影響しているかを特定することから始めましょう。送料・手数料の透明性確保、決済手段の充実、効果的なリマインド施策、そして継続的な効果測定と改善。これらすべてが連動して初めて、大きな成果を生み出すことができます。

重要なのは、これらの施策を一度に全て実施しようとするのではなく、優先順位を付けて段階的に取り組むことです。まずは最も影響の大きい要因から改善を始め、効果を測定しながら次の施策へと進んでいくことで、着実な成果を積み重ねることができます。

カゴ落ち率の改善は、新規顧客獲得と比較して費用対効果が高い施策です。すでにサイトを訪れ、商品に興味を持ってくれたお客様を確実に購入へと導くことで、マーケティングROIを大幅に向上させることができます。

ゼネラルアサヒでは、100社以上のEC事業者様との取引実績と経験から、各社様の課題に応じた最適なカゴ落ち対策をご提案しています。詳しい実績についてはこちらのページで一部ご確認いただけます。

カゴ落ち率の改善でお悩みの方は、ぜひ一度お問い合わせください。貴社のECサイトの現状を分析し、具体的な改善提案をさせていただきます。

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