YouTubeで動画を見る際に、まず最初に目にするのがサムネイルです。ユーザーはこのサムネイルを見て、自分が探している動画か、クリックして動画を見たいか、ほぼ一瞬のうちに判断しています。
つまり、サムネイルは動画を見てもらうための誘導表示であり、さらには動画の再生回数を増やす重要な要素となります。
普段何気なく見ているサムネイルですが、この記事ではサムネイルの重要性に加えて、作り方のコツをご紹介しています。この記事を読んで、効果的なサムネイル作りの参考にしてください。
■目次
YouTubeのサムネイル作成の重要性
サムネイルとは、動画の内容についてサイズを縮小して表示させた画像のことです。サムネイルを見ることで、動画を再生しなくても、動画の内容がある程度分かってもらうことが重要です。
YouTubeに投稿した動画を多くの視聴者に見てもらうためには、動画内容やタイトルだけでなく、サムネイルにこだわることが欠かせません。
サムネイルは、多くの動画の中から『見たいと思う動画』を選ぶきっかけとなる重要な要素です。サムネイルで視聴者の興味を惹ければ、多くの方に動画を見てもらえるでしょう。
YouTubeには、動画の中からサムネイルにする画像を選び、自動で作成する機能もあります。しかし、魅力的なサムネイルを作るには、目的に応じて作成するのがおすすめです。
YouTubeのサムネイルの作り方
YouTubeに動画を投稿する際に、「どんなサムネイルが目を引くの?」「効果的なサムネールって?」など、サムネイルの作り方に悩んでいませんか?
サムネイルは画像を準備して、テキストを入れるだけで簡単に作成できます。サムネイルに使用する画像のサイズや、入れるべきテキストなど、YouTubeのサムネイルの基本的な作り方を説明していきましょう。
画像を準備する
まずは、サムネイルのベースとなる画像を準備します。動画のスクリーンショットでも構いませんが、複数の画像を組み合わせると、よりインパクトのある画像になるでしょう。
画像サイズや解像度などの規定は、以下のとおりです。
- 解像度:1280×720(最小幅は640ピクセル)
- アップロードする画像ファイル形式:JPG、GIF、PNG など
- サイズ:2MB未満
- アスペクト比:16:9が理想
参考:YouTubeヘルプ「YouTube で動画のサムネイルを追加する」
印象的なキーワードやフレーズを入れる
見ただけで動画の内容が分かるよう、画像にテキストを入れます。動画に興味を持ってもらえるよう、キーワードや印象的なフレーズなどを入れるのがおすすめです。
タイトルを入れれば一目で動画の内容が分かりますが、文字数が長すぎると、見にくくなってしまいます。またタイトルを入れる必然性はありません。インパクトのあるサムネイルになるよう、キャッチーな表現にして、多くても15文字程度に抑えましょう。
YouTubeのサムネイル作成に使えるソフト
画像編集用のソフトを使うことで、こだわったサムネイルを比較的簡単に作成できます。ここでは、YouTubeのサムネイル作成に使えるソフトやサービスを、無料で使えるものと有料のものに分けて紹介します。
無料で使えるおすすめのソフト・サービス
Canvaは、オンライン上で簡単に画像加工できるサービスです。アプリもあるため、スマホやタブレットからも操作できます。文字入れや画像のサイズ変更など、サムネイル作成に必要な機能はすべて無料で利用できます。テンプレートが豊富なため、初心者でも簡単にサムネイルを作れるのが魅力です。
Canva については「Canvaとは?基本的な情報や特徴などをわかりやすく紹介! 」の記事もあわせてご覧ください。
GIMPは、画像合成・加工やイラスト作成ができるフリーソフトです。レイヤー機能やエフェクト、ブラシなど、有料ソフトに引けを取らない充実した機能を備えています。WindowsとMacのどちらにも対応しているのも嬉しいポイントです。
有料のおすすめソフト・サービス
Photoshopは、画像編集ソフトの代表格とも言える有名なソフトです。多機能かつ高性能で、切り抜きや合成、色変更などの作業をスピーディに行えます。Adobe Premiere Proを使って動画を編集している場合は、Adobe Creative Cloudに切り替えることで、Photoshopやその他のAdobe製品を利用できます。
Shutterstockは、有料の高品質な素材を販売しているサイトです。画像編集専用のツールではありませんが、購入した画像をブラウザ上で編集できます。動画の一部分ではなく、画像素材をベースにサムネイルを作成したい方におすすめです。
プレゼン用スライド作成に使用されるPowerPointも、サムネイル作成に利用できます。スライドのサイズをサムネイルのサイズに設定し、画像を挿入したり、テキストを入れたりすれば、簡単にサムネイルが完成します。操作に慣れているソフトを使用したい方や、わざわざ画像編集ソフトを購入したくない方におすすめです。
クリックされるサムネイルを作成する5つのポイント
クリックされるサムネイルとは、どんなものなのでしょうか?
実は、画像やフォント、配色などに、いくつかの共通点があります。さらに、チャンネルごとに独自のスタイルがあり、サムネイルに統一感があることもポイントになります。
ここでは、効果的なサムネイルを作成するための5つのポイントについて見ていきましょう。
1.人の写真を使用する
サムネイルに使用する画像は、人の写真にするのがおすすめです。「誰から発信された情報なのか」が一目でわかるサムネイルは、安心感があり、動画再生につながります。
特に、企業が公式で投稿する動画の場合は、話し手や解説者など、情報発信者の写真を使用すると効果的です。視聴者から信頼できる動画であると認識してもらいやすくなります。
2.見やすいフォントを使う
画像にテキストを入れる際は、見やすいフォントを使うことが大切です。選ぶフォントによって、視認性は大きく異なります。YouTubeのサムネイルに多く使われているフォントの例を挙げると、以下のとおりです。
- ヒラギノ角ゴシック
- キルゴU
- コーポレート・ロゴ
- ラノベPOP 等
フォントを選ぶ際は、動画や背景画像の印象にあっているかも意識しましょう。例えば、ニュース解説のサムネイル画像にポップなフォントを入れると、世界観がバラバラになってしまいます。サムネイル画像とフォントのイメージを合わせることで、より伝わりやすいサムネイルに仕上がります。
また、スマホでYouTubeを再生する方が多いことも考慮して視認性が高まるよう工夫しましょう。
3.袋文字・影付き文字を活用する
テキストを目立たせるためには、袋文字や影付き文字を使いましょう。
袋文字は、文字の外側に枠線をつけて縁取った文字です。影付き文字は、文字に影がついており、立体的に浮き出ているように見えます。シンプルな文字よりもインパクトがあるため、特に目立たせたい箇所を袋文字や影付き文字にすると、サムネイルが見やすくなります。
袋文字も影付き文字もフォントがありますが、画像編集ソフトで自分の好みに加工することもできます。
フォントの色と画像の色が似ていて、フォントが読みにくいという場合にも、袋文字は効果的です。可読性が増し、スマホの小さな画面であっても楽に文字を読むことができます。
4.配色を工夫する
配色を工夫することで、見やすいサムネイルに仕上がります。
テキストの色と背景の色が被ってしまうと、テキストが目立ちません。明度の差をつけたり、補色や色相差のある色を利用したりして、テキストが目立つよう工夫しましょう。
しかし、インパクトのあるサムネイルにしようと色を使いすぎてしまうと、ごちゃごちゃしたサムネイルになります。サムネイルに使用するテキストの色は、2〜3色程度に抑えるのがおすすめです。
5.チャンネル全体で統一感を出す
投稿する動画数が増えたら、チャンネル全体でレイアウトや色使い、フォントなど、サムネイルの統一感を出しましょう。「このサムネイルといえばこのチャンネル」という印象を与えられれば、新たに投稿した動画を視聴者に見つけてもらいやすくなります。
右半分に画像、左半分は文字、サムネイルを色付の枠で囲う、同じフォントを使うなど、統一感の出し方はさまざまです。動画の雰囲気やターゲットなどに応じて、サムネイルのスタイルを確立させましょう。
YouTubeのサムネイル作成時の3つの注意点
YouTubeのサムネイルを作成する際は、文字の配置に注意が必要です。また、クリックしてもらうことを重視しすぎて、動画の内容に合わないサムネイルや、ガイドラインに違反した過激なサムネイルを作成すると、視聴者が離れていってしまいます。
ここでは、YouTubeのサムネイル作成時に忘れてはならない、3つの注意点について解説します。
1.右下に文字を入れないようにする
サムネイルの右下には、文字を入れないようにしましょう。
右下には、動画の時間を示すタイムインジケーターが表示されます。右下に文字を入れたものの、タイムインジケーターと被って文字が見えなくなってしまう、というのは、YouTubeではよくある失敗です。
右下は見えなくなるということを意識して、サムネイルを作成してください。
2.動画の内容とサムネイルが一致するようにする
動画の内容と一致するサムネイルを作成することも欠かせません。
クリックしてもらおうとするあまり、動画の内容とかけ離れた釣りや煽りのようなサムネイルを作成するのは逆効果です。視聴者の興味を惹けるかもしれませんが、視聴者に違和感や不信感を与えてしまいます。離脱率の上昇や低評価などにつながるため、長期的に見ると動画のインプレッションを低下させる行為です。
動画の内容とサムネイルは、齟齬がないようにしましょう。
3.ガイドライン違反に注意する
サムネイルの内容によっては、ガイドライン違反に該当し、アカウントが違反警告を受ける可能性があります。
以下に該当するようなサムネイルを作成しないよう、細心の注意を払いましょう。
- ヌードや性的に強調した表現
- ヘイトスピーチやハラスメント
- 暴力的または反社会的な表現
- 身体的に危険なチャレンジ 等
インパクトのあるサムネイルを作成しようと、過激な画像やテキストを使用してしまうケースも珍しくありません。ガイドライン違反とみなされると、アカウントが停止に追い込まれるリスクもあります。公序良俗に反するサムネイルにならないよう、注意が必要です。
見やすく効果的なYouTubeサムネイルの例3選
サムネイルを作成する際は、まず再生回数の多いチャンネルのサムネイルを参考にしましょう。
ここでは、思わずクリックしたくなるような、見やすく効果的なサムネイルの例を3つ紹介します。
料理レシピアプリ「クラシル」の公式チャンネルでは、さまざまなレシピを動画で紹介しています。サムネイルは、料理の画像と、印象的なフレーズを白文字で入れるのみの、シンプルなデザインです。シンプルがゆえに見やすく、料理の美味しそうな画像が引き立っています。
「あるごめとりい」は、怖い話や奇妙な事件などを紹介するチャンネルです。サムネイルにはインパクトのある画像を使用し、視聴者を惹きつけています。動画のテイストに合わせて、黒文字を赤で縁取ったテキストや、ホラー系のフォントを使用しているのもポイントです。
「サラタメさん」は、おすすめの書籍紹介やニュースの解説など、ビジネスパーソンに役立つ情報を発信するチャンネルです。書籍紹介では、書籍の表紙の写真の横に、「人は操れる。」「朝6分だけで人生激変」のような、強烈なフレーズを入れています。背景が黒で統一されており、表紙とテキストが目立つのも特徴です。
まとめ
今回は何気なく見ているサムネイルの重要性に加えて、作り方のコツをご紹介しました。サムネイルは、多くの動画の中から『見たいと思う動画』を選ぶきっかけとなる重要な要素です。画像を準備して、テキストを入れるだけで簡単に作成できますが、サムネイルで視聴者の興味を惹ければ、多くの方に動画を見てもらえるでしょう。
クリックされるサムネイルには、画像やフォント、配色などにいくつか共通点があり、またチャンネルごとに独自のスタイルがあり、サムネイルに統一感があることもポイントです。また、動画の内容に合わないサムネイルやガイドラインに違反したサムネイルを作成しないように注意が必要です。
サムネイルを作成する際は、再生回数の多いチャンネルのサムネイルを参考にするのが良いでしょう。ここではクリックしたくなるような、見やすく効果的なサムネイルの例を紹介しました。
動画を多くの視聴者に見てもらうために、動画内容やタイトルだけでなく、ぜひサムネイルを見直して、魅力的なクリックされるサムネイルを作成してみてください。