COLUMNコラム

今さら聞けない!動画制作・編集の基本用語集 Part2

公開日: 2024年10月30日    

動画の制作・編集における様々な専門用語。「聞いたことはあるけど、実は意味をよく知らない」「何となくこういうことだろう」とあやふやなままにしていませんか。
本記事では、これから動画の制作・編集を始める初心者の方や、動画の制作を外注しようと考えている企業の担当者の方に向けて基本用語を徹底解説。用語への理解が深まれば、制作会社に発注する場合にも作りたい動画のイメージをより的確に伝えることができます。ぜひ参考にしてください。

動画制作・編集で押さえておきたい基本用語

今回は「用語集Part1」に続く「用語集Part2」です。全部で18の専門用語をご紹介します。主に撮影後の編集からデータ納品までの作業、いわば動画編集の要となる作業に関連する用語ばかりです。
編集過程でどういった作業が必要なのか分かると、企画を考える際や制作会社との打ち合わせの際もスムーズに。詳細記事や「用語集Part1」の記事もあわせてぜひご覧ください。

あわせて読みたい!「今さら聞けない!動画制作・編集の基本用語集 Part1

アフレコ

「アフターレコーディング」の略で、編集がほぼ完成した後に映像に合わせてセリフや効果音などの音声を収録することをいいます。動画の録音方法には大きく分けて2つあり、ひとつが「アフレコ」で、もうひとつが「同録(同時録音)」です。同録とは撮影と同時に音声も録音することをいい、マイクでしっかりと録音しなければなりません。周りの不要な雑音を拾う(録音してしまう)ことも多いので、細心の注意が必要です。

MA

Multi Audio(マルチオーディオ)の略で、音声に関する一連の編集作業のことをいいます。
撮影した映像に音楽(BGM)や効果音、ナレーションやセリフを挿入したり、音声を聞き取りやすくするために撮影時に入ってしまった音声ノイズを除去したり、音量バランスの調整を行います。
効果音は動画のクオリティを左右する重要な要素です。音響効果やSE(Sound Effect〈サウンドエフェクト〉)とも呼ばれ、例えば足音や雨音、物を落とした音などを誇張して響かせたりすることで演出効果につながります。
音声が聞き取りにくい動画は、視聴者の離脱にもつながりかねません。MAは動画を完成するために欠かせない、音声の仕上げとなる工程です。

カラーグレーディング

イメージしている映像に近づけるために、撮影した映像の明るさやコントラスト、色を調整することを「カラーグレーディング」といいます。実際の色を正確に再現するためというよりも、映像の世界観やそのシーンの雰囲気を作り出すための色による演出として行われます。
つなぎ合わせたカットとカットに色の違和感がないように調整し、また人物だけ、背景だけなど部分的に色を強調したり変更したりすることもあります。

さらに詳しく!「カラーグレーディングとは?プロが作り出す、映像の世界観と魅力

キーフレーム

「キーフレーム」とは動画編集ソフトにおける編集機能のひとつで、エフェクトやアニメーションを指定したフレーム間に効率良く加えることができます。通常、動画にエフェクトを加えると、動画全体にその効果が設定されてしまいます。キーフレームは、動画の時間軸(タイムライン)上で、エフェクトやアニメーションを加えたい部分の始点と終点をマーカーで指定(この指定するフレームがキーフレーム)します。そうすることで、この2つのキーフレームの間にのみ効果が適用されるのです。

〈キーフレーム使用例〉
ボールがA位置からB位置まで跳ねる動きを加えたい場合、

① タイムライン上で動きの開始時間に1つ目のキーフレーム(始点)を設置し、ボールがA位置となるように数値を設定する。
② 動きの終了時間に2つ目のキーフレーム(終点)を設置し、ボールがB位置となるように数値を設定する。

1つ目のキーフレームから2つ目のキーフレームまで時間が進むのに合わせて、ボールは自動的にA位置からB位置まで滑らかに動くのです。

キーフレームはいくつも設置することができ、間隔を短くしたり長くしたりすることで多様な表現が可能になります。キーフレームを使うことで、例に上げたボールの位置移動だけでなく、ズームイン/アウトや回転、フェードイン/アウトなどの様々なエフェクトやアニメーションを組み合わせることができます。

クロマキー

「クロマキー」はクロマキー合成とも呼ばれ、映像を切り抜き合成する技術のことをいいます。
グリーンスクリーン(またはブルースクリーン)を背景に人物を撮影し、撮影後に背景の緑色(または青色)の部分を分離(マスク)し、別の背景映像と合成します。背景に緑色、または青色が用いられるのは、人物の肌色と補色の関係にありコントラストがつくため。クロマキー合成を行う際は緑、青色系の服を避けるようにします。

さらに詳しく!「クロマキーとは一体何?基本情報や撮影のコツなどを解説!

サムネイル

「サムネイル」とは、パソコンやスマートフォン、YouTubeやSNSなどで一覧になって表示される縮小画像のことです。サムネイルは英語で「thumbnail(親指の爪)」と書き、親指の爪のように小さな画像という意味です。画像サイズが大きいと読み込むのに時間がかかるため、縮小した画像を用います。
サムネイルは、中身を確認しなくてもどんなファイル、またはどんな動画なのか内容がわかるものでなければなりません。特にYouTubeやSNSでは、サムネイルは視聴の動機づけとなるもので、非常に重要な要素です。通常は動画をアップロードする際に設定します。多くの人に動画を見てもらえるよう、「視聴してみたい」と興味を惹くサムネイルを作成しましょう。

さらに詳しく!「SNS動画をPRに活用する|各SNSの特徴や動画のポイント・注意点など

テロップ

動画には出演者の名前や商品、お店の名称、価格、簡単な説明などのテキストが挿入されます。画面上に映し出される、これらの文字情報のことを「テロップ」といいます。テロップは映像と音声を補助する役割を持ち、テロップを入れることで視聴者により多くの情報を分かりやすく伝えることができます。バラエティ番組やYouTubeなどでは出演者の発言やツッコミのテロップを入れることで、動画がより面白く魅力的にもなります。
テロップを入れるときは、視認性、可読性を考えることが重要です。フォント、文字の大きさ、色、表示するタイミングや表示時間に注意しましょう。
テロップによく似ている言葉に「字幕」「スーパー」「キャプション」などがあります。本来の意味は下記の通りですが、デジタル化された現在では混同して使われることも多くなっています。

字幕…映像内の出演者のセリフや音声を文字で起こしたもの
スーパー…文字に限らず、映像の上に重ねて表示される画像や図形のこと
キャプション…写真やイラストなどに添える説明文のこと

さらに詳しく!「テロップとは何か?その重要性と効果的な使い方について解説

ピクセル

画像を極限まで拡大すると、小さな点(矩形)が集合しているのが分かります。「ピクセル」とはこの小さな矩形のことで、デジタル画像の最小単位、最小要素です。画像はピクセルの集合体であり、ピクセル数が多いほど画像が鮮明になります。
このピクセル数を使って表すのが、画像や映像、画面のサイズを表す「解像度」です。例えば、解像度が「1280×720」なら、横に1280ピクセル、縦に720ピクセル並んでいるということです。高精細な画像=解像度が高い=ピクセル数が多いということになります。

さらに詳しく!「動画の解像度とは?代表的な動画サイズと解像度の選び方などを解説!

タイムライン

「タイムライン」とは、動画編集ソフト上での編集作業スペースのことです。タイムラインでは映像や画像、テロップ、ナレーション、BGMなど複数の素材を時間軸で並列に並べます。そして、時間軸に沿って素材一つひとつの編集・管理を行います。
タイムラインの機能があることで、例えば映像とBGMのタイミングを細かく設定することができます。効率良く編集作業ができ、また細かな調整もできるので、プロのような質の高い動画制作につながります。
タイムラインで編集したデータ(複数の素材のまとまり)を「シーケンス」と呼び、長尺の動画であればストーリーの章ごとにシーケンスを作成し、1本の動画にまとめます。
本格的な動画制作を目指す場合は、タイムライン機能のある動画編集ソフトを選びましょう。

レンダリング

「レンダリング」とは、データをコンピュータ上で処理・演算し、画像・映像・音声を生成して表示させることをいいます。
動画編集においては、編集ソフトのタイムライン上に映像、画像、テロップ、音声など複数のデータを並べて作業を行いますが、そのままではそれぞれは独立したデータです。これらの複数の素材データを統合して、ひとつの動画ファイルを生成することをレンダリングといいます。レンダリングは編集後に欠かせない作業であり、レンダリングをすることで、元は別々のデータであったものを、私たちはひとつの動画として見ることができるのです。
レンダリングは3DCGの分野でよく使われる言葉です。3Dで作成したオブジェクトやアニメーションを2Dの画像や映像に書き出すことをいいます。
また、音楽の分野では制作した楽曲を音声ファイルとして書き出すこと、Web制作ではHTML言語を処理してWebページとしてブラウザに表示することをレンダリングといいます。

さらに詳しく!「リアルタイムレンダリングとは?活用例からみる種類、メリットを解説

3DCG

「3DCG」とは3Dimensional Computer Graphicsの略で、3次元空間(3D)におけるコンピュータグラフィックス(CG)のことです。2次元(2D)のCGは平面であるのに対し、3Dは縦・横・奥行きのある空間で描画した、立体的な画像や映像です。リアルな映像表現が可能で、いうまでもなく、今映画やゲーム、アニメの世界で広く使用されている技術です。
3DCGは専用のソフトを使って制作します。簡単にいうと、オブジェクト(立体物)を制作し、色や質感、動きをつけ、照明を設定しカメラで撮影をします。最後にレンダリングを行い、3次元のデータをコンピュータが演算して、2Dの画像や映像に変換します。

3DCGの詳しい作り方は「3DCGとは?メリットや活用例、制作方法やソフトのご紹介」をご覧ください。
3DCGは現在、映像分野だけでなく、建築や工業デザイン、アパレルなど様々な業界でも活用されています。今後もコンピュータ技術の進歩により、3DCGの需要はますます高まると考えられます。

さらに詳しく!「3DCGの役に立つ情報と制作ソフトを選ぶポイント【初心者向け】
3DCGの作り方7ステップやソフト3選を詳しく解説。CGの世界を知る第一歩!

オフライン編集

「オフライン編集」とは、本格的な編集作業に入る前にざっくりと映像を繋いでいく編集作業のことで、「仮編集」ともいいます。元の撮影データをコピーしたデータや、撮影データが重い場合は処理に時間がかかるため、圧縮した軽いデータを使って行います。使用する映像や画像、音声を選び出し、カットの順番や長さの調整を行い、ストーリーを組み立てていきます。
オフライン編集に続いて行うのが「オンライン編集」で、「本編集」ともいいます。オフライン編集のデータを元に本データへの差し替え、エフェクトやテロップを入れたり、色調整をしたりなど、より精度の高い加工や演出を加え、仕上げていきます。

アフターエフェクト

「アフターエフェクト」とは、Adobe After Effects(アドビ アフター エフェクツ)という、Adobe社が提供する映像加工に特化した編集ソフトの名称です。高機能な動画編集ソフトとして知られるAdobe Premiere Pro(アドビ プレミア プロ)と並び、多くのプロの映像クリエイターたちに使用されています。
アフターエフェクトには豊富なエフェクトが揃っており、その名前のとおり、動画編集後にレイヤーを重ねて様々なエフェクトをかけることができます。映画のような特殊加工や3Dアニメーション、CG、モーショングラフィックスなど、複雑な加工や表現もお手のものです。AIによる自動加工で、動画の中から必要なものだけを切り抜いたり、逆に不要なものを取り除いたりといったことも簡単にしてくれます。
しかし、カットとカットをつないでいく動画編集という面では、プレミアプロの方が適しています。特に長尺の動画は並び替えも簡単なプレミアプロがおすすめです。

どちらかを使うというより、動画全体はプレミアプロで、動画に追加する素材を作る、ある部分だけを作り込むといった場合はアフターエフェクトで、と使い分けるのが作業効率も良く、またクオリティの高い動画を作ることができます。
アフターエフェクトとプレミアプロは連携できるので、プレミアプロで編集作業をしながら、途中でアフターエフェクトを開いて加工、そしてプレミアプロでつなげるということもスムーズに行えます。

さらに詳しく!「動画編集に欠かせないエフェクトとは?種類や使い方をわかりやすく解説

モーショングラフィックス

「モーショングラフィックス」とは、文字やロゴ、イラスト、画像などに動きや音をつけアニメーションにする表現技法のことです。企業のプロモーション動画やCM、Web広告などでよく見られます。

モーショングラフィックスを活用することで、以下のようなメリットがあります。
・静止画の文字情報は視聴者が意識して読む必要がありますが、動きや音声が加わるので視覚、聴覚に訴え、情報が伝わりやすくなります。
・動きや音楽をつけることで興味を惹きやすく、印象にも残りやすくなります。
・事例を見てもわかるように、跳ねるような動き、回転、流れるような動きなど、モーショングラフィックスには様々な表現方法があります。静止画よりも表現の幅がぐっと広がります。
・モーショングラフィックスは編集ソフトで制作でき、実写映像や3DCGと組み合わせることで、よりリッチなコンテンツに仕上げることができます。

オーサリング

「オーサリング」とは、完成した動画ファイルにメニュー画面やチャプター、音声ファイルなどを組み合わせてDVDやBlu-rayなどのメディア、またはWebコンテンツに仕上げることをいいます。オーサリングを行うためには、専用のオーサリングソフト(オーサリングツール)が別途必要になります。
DVDなどの光ディスクのメディアを作成することをDVDオーサリング、Web向けのコンテンツを作成することをWebオーサリングといいます。

グラフィックボード(ビデオカード)

「グラフィックボード」とは、ディスプレイに画像や映像を映し出すための基板製品で、「ビデオカード」とも呼ばれます。画像処理に特化したGPU(Graphic Processing Unit)という半導体チップを内蔵しており、グラフィックボードを増設することで大容量、高解像度の映像データを高速で処理できるようになります。
GPUは通常、CPU(Central Processing Unit)やマザーボードに搭載されパソコンに内蔵されていますが、高解像度の映像データを扱う場合は内蔵GPUでは性能が足りず、処理ができなかったり、処理に時間がかかったりする場合があります。素材データの読み込みや動画ファイルの書き出しなど、大量の映像データを処理する動画編集には独立したGPU、外付けのグラフィックボードが欠かせません。
動画編集以外では、パソコンでスピード感あふれる3Dゲームをしたり、建築関係で3DCADを扱ったりする場合にもグラフィックボードの増設が必要です。

ポスプロ(post production)

「ポスプロ」とは「ポストプロダクション」の略で、撮影後のすべての作業のことをいいます。撮影後の編集から納品データの書き出しまで、映像データをひとつの作品に仕上げていく、動画制作の最終工程です。

〈大まかなポスプロの流れ〉
① 素材収集…撮影素材、提供素材、制作素材など、使用する映像、画像、音楽、イラスト、アニメーションなどの素材を集める。
② オフライン編集(仮編集)…使用する映像や画像、音声を選び出し、ざっくりとカットの並び替えや長さの調整、大まかな色調整(カラーコレクション)を行う。
③ オンライン編集(本編集)…オフライン編集のデータを元に、本データを使い、さらに高解像度で、鮮明に、高品質な動画データに仕上げていく。
④ タイトルやテロップの作成、挿入…映像に入れるタイトル、テロップを作成し、映像に重ねていく。
⑤ カラーグレーディング…演出として全体的に、また細部の明るさ、コントラスト、色相など調整を行う。
⑥ アフレコ、ナレーションの収録…映像に加える音声・効果音・ナレーションを収録する。
⑦ MA…音声の編集。音楽(BGM)や効果音、ナレーションやセリフを挿入し、音声ノイズ除去など調整を行う。
⑧ データ書き出し…公開・配信の媒体に合わせてデータを書き出す。 
ポスプロはとても時間のかかる作業で、それによってコンテンツのクオリティが決まるといっても良い重要な工程です。

完パケ

「完パケ」とは「完全パッケージメディア」の略で、編集後テロップが入り、MAも終え、放送や配信、販売ができる状態のことをいいます。一般的に「完パケ」、または「マスター」や「完成原版」と呼ばれます。
また、編集は終えているものの、テロップやMAが入っていない状態のことを「白マザー」や「白完」といいます。白マザーは、テロップの修正が入ったときや、海外で使用したい場合(外国語のテロップや字幕を入れる場合)などに備えて用意しておきます。
動画の用途に合わせて、完パケだけでいいのか、白マザーも必要か納品状態を確認しましょう。

まとめ

今回は「動画制作・編集の基本用語集 Part2」として、主に編集作業に関する18の専門用語をご紹介しました。実際に自分で作るとき、または制作会社に依頼するときに知っておきたい用語を集めています。ひと言に動画制作・編集といっても、関連する作業は非常に幅広く、使われる専門用語も膨大です。引き続き、用語集をアップしていきますので、ぜひお役立てください。
当社のウェブサイトでは、用語集の他にも動画制作に関する最新動向や制作のポイントなど、企業の担当者の方に役立つ情報をコラムとして配信しています。動画に関する気になることやお探しの情報があれば、ぜひチェックしてみてください。
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