
コンテンツマーケティングとは、質の高いコンテンツを作成・配信することでユーザーに有益な情報をもたらし、見込顧客や既存顧客と定期的なコミュニケーションを行うマーケティング手法です。
企業にとっても、ブログ記事やSNSといったさまざまな媒体を活用し、ユーザーとのタッチポイントを増やしたいと検討されているのではないでしょうか。
なかでも、今回は動画コンテンツによる戦略を中心に解説しています。
なぜ、動画がユーザーの心に響くのか、動画による効果を理解でき、実際に何から手をつけたら良いのかわかる内容になっています。
また、企業の成功事例を参考にすることでゴールが見えやすく、すぐにでも実践したくなると思います。ぜひ最後までご覧ください。
■目次
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、ターゲットユーザーにとって有用なコンテンツを提供することで認知や信頼を獲得するマーケティング手法のことです。コンテンツはユーザーにとって価値のあるものでなくてはならず、ユーザーの目線で考える必要があります。
また、コンテンツマーケティングは、即時的なものではなく、中長期的な収益を目的とするものです。テキストや図表、イラスト、動画などさまざまな種類から目的に合ったコンテンツの形式を選び、ユーザーに届きやすい方法で配信することが大切です。
そもそもコンテンツとは?
コンテンツ(Contents)は直訳すると「内容」や「中身」と表されます。コンテンツマーケティングにおいては、「ユーザーにとって価値のある情報」を指して使われる言葉です。具体的なコンテンツの種類は、テキスト形式の読み物や写真、動画やウェビナーなどが挙げられます。
コンテンツは、直接的な販売促進を行うものではありません。ユーザーに検索などからコンテンツにたどり着いてもらい、自社を知ってもらったり信頼を獲得したりすることで、最終的に契約・購入してもらうことを目的とします。
コンテンツマーケティングは、このようにコンテンツを活用して集客を行う手法です。
コンテンツマーケティングと配信方法
コンテンツを配信する方法は、オウンドメディアやSNS、広告やメールなどさまざまです。しかし、配信方法を選ぶ前にターゲットの選定やコンテンツ内容の精査を行い、契約や購入までの動線を設計しておくことが重要です。
ターゲット像や提供する情報を明確にしたうえで、多くの見込み顧客に届けられる配信方法を選択しましょう。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い
コンテンツマーケティングと混同されやすい言葉に「コンテンツSEO」があります。コンテンツSEOとは、コンテンツマーケティングの手法の一つのことです。
コンテンツが検索で上位表示されるためのSEOを行い、検索によるユーザーの流入を目指す方法です。ユーザーの検索意図を把握し、多く検索されるワードについての良質なコンテンツを継続的に提供することで、Googleの評価とユーザーの評価を上げるのが狙いです。
コンテンツマーケティングがなぜ注目されるのか?

近年コンテンツマーケティングが注目を集めている理由には、インターネット広告費の高騰や、コンテンツが資産となることが挙げられます。また、多くのメリットがある動画コンテンツを使ったマーケティングも増えてきました。
費用を抑えながらも、継続的に多くの情報を提供できるコンテンツは、自社の貴重な資産となります。そこで、コンテンツ制作のメリットを押さえましょう。
インターネット広告費が高騰している
リスティング広告は、検索で上位表示させる方法の一つです。リスティング広告は検索連動型広告とも呼ばれ、特定のキーワードを検索したユーザーに対して表示されます。キーワードへ高い興味や関心のあるユーザーに、アプローチできます。
しかし、リスティング広告を含むインターネット広告費は高騰しています。ユーザーが広告をクリックするごとに費用がかかり、競合の多いキーワードでは特に広告費が高額になります。
一方で、コンテンツマーケティングではコンテンツの作成やメディアの運営などの費用はかかるものの、一度作成すれば後から広告費用が発生することはありません。
そのため広告費を押さえてユーザーにアプローチする方法として、コンテンツマーケティングは高い注目を集めています。
コンテンツは資産になる
ユーザーに対して質の高い有益なコンテンツを提供できれば、集客の効果は中長期的に持続します。コンテンツは一度作成すれば削除しない限りインターネット上に残るため、自社にとっては継続的に顧客を集められる情報資産となります。
広告のように一時的な効果で終わらず、蓄積されることでクリックによる集客は増え、そこから問い合わせ、さらには契約・購入につながり、安定した流れを生み出してくれます。
動画の活用によるメリットが大きい
コンテンツの中でも、動画には特に大きなメリットがあります。写真や文字に加えて映像や音声など、情報量が圧倒的に多い動画は、印象に残りやすいものです。
情報を羅列するだけでなく、ストーリー性を持たせられる点も大きな特長です。写真や文字でもストーリーを伝えることはできますが、視覚と聴覚に訴える動画ではよりスムーズに短時間で理解してもらえるでしょう。
加えて、動画コンテンツはSNSでシェアすることもできます。ユーザーに高く評価されれば、SNSで一気に拡散されるチャンスもあります。
コンテンツマーケティング動画の種類とは?

コンテンツマーケティングで活用できるコンテンツには、SEOを意識したWebページや動画、ホワイトペーパーやウェビナーなどがあります。
どのような効果を狙うかによって、選択するべきコンテンツも異なります。一つひとつの特長やメリットを知って、自社はどのようなコンテンツを提供するのが効果的か考えてみましょう。
ブランディング動画
企業やブランドのイメージを向上させ、認知度を高めるためのコンテンツです。
単なる商品の宣伝ではなく、ブランドの哲学や価値観を視聴者に共有し、視聴者との絆を築き、ブランドへの愛着や忠誠心を育みます。
企業やブランドの背景にあるストーリーや哲学、使命を伝えることを主な目的とし、そのブランドのファン化が期待できます。つまり、ブランディング動画は企業と顧客をつなぐ架け橋として重要な役割を果たします。
https://www.generalasahi.co.jp/cd/movie/topics/branding-movie/
サービス紹介動画
サービス紹介動画は、サービスや製品の詳細な情報を提供する動画です。主な目的は、サービスの認知度向上や視聴者にサービスの利点や魅力を伝え、購買行動(CV)に結びつけることです。
この種の動画では、視聴者の視点に立ち、サービスの利用メリットや具体的な活用方法、実際の使用シーンなどをわかりやすく示すことが重要です。視聴者がサービスを利用する際のイメージや体験を具現化し、興味を引き、行動へとつなげることが狙いです。
https://www.generalasahi.co.jp/cd/movie/topics/product-introduction/
HOWTO動画
HOWTO動画は、商品の使用方法やサービスの利用手順を解説する動画です。取扱説明書の代わりになることがあり、視聴者に具体的な手順や方法を分かりやすく伝えるだけでなく、新商品や新サービスの販売促進など業界問わず様々な活用ができます。
テキストや静止画では伝えにくい情報も、実際の操作や使用方法を視覚化して理解しやすくなります。また、既存の顧客に対しても、新しい機能やアップデートに関する情報を提供する手段として有効です。
https://www.generalasahi.co.jp/cd/movie/topics/howto_point/
インタビュー動画
自社で働く社員や商品・サービスの利用者の声などを、インタビュー形式で発信する動画のことです。インタビュアーがさまざまな質問をし、出演者が質問に回答することでリアルな感想や魅力を視聴者に伝えます。そのため内容に説得力が増し、視聴者の共感を得やすい動画といえるでしょう。
インタビュー動画は、会社紹介や採用活動、お客様の声など、幅広いシチュエーションで活用されています。実際の社員や利用者のリアルな声を届けられるだけでなく、視覚的・聴覚的に訴求できるため、会社や商品・サービスの魅力を発信するのに非常に効果的です。
https://www.generalasahi.co.jp/cd/movie/topics/interview/
コンテンツマーケティングで動画を活用するポイント

数あるコンテンツの中でも、動画は短時間で多くの情報を伝えられ、ユーザーの印象にも残りやすいものです。風景やデザインなどを視覚的に訴えたい場合や、仕組みを分かりやすく図解して伝えたい場合には、動画は特に効果的でしょう。
一方で、動画をコンテンツとして活用するには注意点もあります。ぜひ押さえておきたい、動画の3つのポイントを紹介します。
動画はコンパクトにまとめる
動画は多くの情報を伝えられる一方で、視聴には時間を要します。動画が長すぎると、ユーザーの離脱を招く可能性があります。
長時間拘束されることを嫌い、そもそも動画を見ようとしない人もいるでしょう。そのため、動画は要点を絞ってコンパクトにまとめることをおすすめします。動画の長さは、30秒から3分程度にするとよいでしょう。
サムネイルはテーマを絞る
動画を視聴してもらうには、その内容を端的に表し印象づけるサムネイルも重要です。多くの人はサムネイルを見て動画を視聴するかどうかを判断します。いくら内容がよくても、サムネイルに魅力を感じなければ視聴しないでしょう。
ただし、だからといって情報を詰め込みすぎることはおすすめしません。サムネイルに載せる情報を絞ることで、動画の内容が明確にユーザーに伝わります。
適切なプラットフォームを選ぶ
動画コンテンツをプラットフォーム上で配信する場合は、適切なプラットフォームを選択することが大切です。
YouTubeのほか、InstagramやTwitter、Facebookなど、動画を投稿できるプラットフォームは多くあります。プラットフォームの利用者層と、コンテンツのペルソナを考慮して選びましょう。
動画によるコンテンツマーケティングの運用手順

コンテンツマーケティング動画を行うには、質のよいコンテンツが必要です。しかし、良質なコンテンツを作るためには、制作の前にペルソナやコンセプトを固めておかなければなりません。
加えて、コンテンツを掲載するメディアの準備や目標の設定も不可欠です。コンテンツを公開するだけでなく振り返りを行うことで、自社のコンテンツを改善しながら蓄積していくという良い循環を作り出すことが重要です。
ペルソナ設定
まずはコンテンツマーケティングのターゲットユーザーを明確にしましょう。以下のような項目を決めて、ユーザー像をより細かく具体化します。
- 名前
- 年齢
- 性別
- 職業
- 居住地
- 家族構成
- 性格
- 趣味
このように、ターゲットとなるユーザー像をより細かく設定したものをペルソナと呼びます。ペルソナを具体的に決めることで、「この人ならどう考えるか」とユーザー目線で考えられます。実際の顧客情報を参考にするのもいいでしょう。
コンセプト設計
ユーザーに提供する価値であるコンセプトも、重要なポイントです。ペルソナの目線で、どのようなコンテンツに魅力を感じるか、どのようなコンテンツを求めているかを考えます。ペルソナが明確であれば、確実に「刺さる」コンテンツをよりリアルに考えられるようになります。
内容だけでなく、コンテンツの名称やキャッチコピー、自社のメディアであればドメイン名も決めておきます。どれも長期的に使うため、しっかりと戦略を立てて決定することが大切です。
オウンドメディアの構築
コンテンツを自社独自のメディアに掲載したいのであれば、オウンドメディアの構築も必要です。オウンドメディアは自社で保有・管理を行うメディアであり、広告費を抑えながらブランディングができます。
オウンドメディアの構築によく使われるのが、CMS(コンテンツ・マーケティング・システム)です。CMSを利用することで、プログラミングなど専門知識が少なくてもメディアを構築でき、投稿や編集も内製化して自社で運用することも可能です。
KPI(Key Performance Indicator)設定
コンテンツによって、達成すべきKPIも設定しましょう。KPI(重要業績評価指標)は、企業の大きな目標を達成するために設定する、具体的で細かい目標や行動指標のことです。達成すべき事項を具体的な数字に落とし込むことで、目指すべき状態がより明確に理解できます。
SEOコンテンツであれば、検索エンジンでの表示順位や流入数、PV数、トラフィックなどを設定しましょう。動画コンテンツであれば、これらに加えて再生回数や総再生時間、インプレッション数などが挙げられます。
コンテンツ制作
上記の工程を踏まえて、コンテンツを制作します。コンセプトの中でペルソナが求めるものを具体的に洗い出し、どのようなコンテンツが必要かをリストアップしていきましょう。一つひとつのテーマを決めたら、丁寧に制作します。
コンテンツの制作には、時間や工数がかかります。早く掲載したいからといって、質が下がってしまうと逆効果です。自社での制作が難しければ、外注することも検討しましょう。
振り返り
コンテンツを配信したら、設定したKPIを達成できたかどうか振り返ります。視聴者の反応や売上にどのような影響を及ぼしたかも分析しましょう。
見つかった課題や改善策を次のコンテンツ作りに活かすことで、よりよいコンテンツを制作できます。制作・配信・振り返りのサイクルを繰り返しながら、中長期的に運営することが大切です。
コンテンツマーケティング動画の成功事例

コンテンツマーケティングに動画を活用し、ブランディングや顧客獲得につなげている企業は少なくありません。当社はこのような動画制作を得意としています。
当社の事例はこちら
また、コンテンツマーケティング動画の成功事例を3つ紹介します。ぜひ良質なコンテンツ作りの参考にしてください。(他社制作)
動画でファンを飽きさせない「北欧、暮らしの道具店」
「北欧、暮らしの道具店」は、北欧のライフスタイルの魅力を表現するECメディアとネットショップです。YouTubeで視聴できるオリジナルドラマを配信しており、世界観を広く伝えています。
商品を用いたインテリアはもちろん、ゆったりとした雰囲気のストーリーや映像も魅力の一つで、ファン作りに一役買っています。
https://www.youtube.com/@hokuoh_kurashi
子どもをターゲットにした動画が人気の「タカラトミー」
「トミカ」や「リカちゃん」などのおもちゃを制作・販売する「タカラトミー」は、YouTubeで動画チャンネルを運営しています。
さまざまな自社製品を用いたストーリーやアニメは、製品を持っていなくても動画コンテンツとして楽しめる内容です。コンテンツの種類・量ともに豊富で、子どもたちに高い人気を誇っています。
https://www.youtube.com/takaratomychannel
短いながらも分かりやすい「キッコーマン」
調味料や食品を通して日本の食文化に貢献する「キッコーマン」は、レシピや調理方法を紹介するサイトを運営しています。
中でも野菜の切り方を紹介する動画は分かりやすく、「野菜 切り方」の検索上位に表示されるほどです。意外に知らない料理の基本を知りたいユーザーのニーズに、うまくマッチした結果といえるでしょう。
https://www.youtube.com/@kikkomanhcchannel7725/videos
まとめ

本記事では、コンテンツマーケティング動画が注目される理由やその種類、実際に作る際の手順、成功事例について解説しました。
コンテンツマーケティングにおいて、動画を取り入れることの重要性がおわかりいただけたと思います。今からでも遅くありません。企業のマーケティング戦略を考える際に、動画を使ったコンテンツの検討をおすすめします。
動画は視聴者にとってテキストよりも短時間で情報を得やすく、訴求力の高いコンテンツです。また動画のメリットは、WEBのほかにも、InstagramやツイッターのようなSNSといったさまざまな媒体への展開ができることです。
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