COLUMNコラム

企業VP(ビデオパッケージ)とは?制作・活用のポイントや事例などを紹介

公開日: 2025年1月31日    

自社の情報を動画で発信する企業VPは、近年動画視聴が一般的になったことでより注目を集めています。多くの企業や組織がさまざまな目的で企業VPを活用しており、「今後自社でも企業VPを制作したい」と考えている方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、企業VPが注目される理由やメリット、活用事例をわかりやすくご紹介します。

企業VP(ビデオパッケージ)とは何か?

企業VPとは企業が作成するビデオパッケージ(Video Package)、つまり企業や組織が自社について発信するための動画コンテンツのことです。
企業が作成する動画といえば、以前は商品・サービスの宣伝や販売促進に利用されるPV(プロモーションビデオ)が中心でしたが、動画がマーケティングに活用される今、さまざまな場面に用いられる企業VPが注目されています。

ここではこれから企業VPを活用するために必要な、企業VPの概要と注目されるようになった理由、具体的なメリットをみていきましょう。

企業VPが注目されるようになった理由

近年、企業VPが注目されるようになった背景には、動画の配信プラットフォームの増加や多様化があります。

以前は企業の作成した動画の公開先といえば、TVCMかホームページくらいでした。しかし現在、動画はYouTubeやInstagram、TikTokなどさまざまな配信プラットフォームで公開できます。しかも公開するために必要な費用はゼロで、原則としていつでも公開可能なため、動画をタイミングやコスト面においてより効果的に活用できるようになりました。

さらに動画配信プラットフォームの増加は、同時により多くの幅広い視聴者に対して公開できることを意味し、さまざまなニーズへの対応にも役立ちます。例えば社会全体に対しては広く伝える宣伝広告や販売促進に、既存の顧客に対しては商品やサービスの具体的な利用方法を詳しく説明するマニュアルとして、また新入社員には守る必要のある社内ルールや業務の基本的な流れの説明にというように、多様な目的への利用が可能です。

また制作ツールの進歩によって、動画に見栄えのする効果を盛り込めるようになりました。これらの状況から企業VPは、もともと存在した企業のさまざまな目的に沿った動画を作成し、活用できるようになったことで注目されているといえるでしょう。

企業VPのメリット

企業VPにはテキストと映像、音楽を織り交ぜて多くの情報を短い時間のなかに盛り込めるという動画ならではのメリットがあります。さらに視覚と聴覚の相乗効果を利用すれば、更に高い効果を得ることも可能です。

ただこれから企業VPを活用するなら、より具体的なメリットを知っておく必要があるでしょう。そこでここでは、企業VPの具体的なメリットを解説します。

静止画や文字よりも内容を伝えやすい

企業VPには、静止画や文字より内容を伝えやすいというメリットがあります。

文字は共通する定義やイメージ、静止画は視覚的なイメージの伝達手段です。しかし動画は静止画の視覚的なイメージに加えて「動き」による表現を、テロップなどを加えることで文字の共通する定義やイメージを、さらにナレーションやBGMを加えることで聴覚的なイメージを伝えられます。動画はさまざまな表現方法が可能なだけに、ほかよりも豊かな表現ができる方法といえるでしょう。

しかも「百聞は一見にしかず」といわれるように視覚から得られる情報は多く、言葉やナレーションで十数秒かかるようなイメージも、動画ならば一瞬で伝えることも可能です。動画は限られた時間のなかでより多くの情報を伝えるには、とても効果的な伝達手段といえるでしょう。

幅広い場面に活用できる

企業VPには、実にさまざまな場面での活用が期待できます。

たとえば商品やサービスについての紹介動画は、広告宣伝のためにTVCMで公開すると、商品やサービスを社会に広く認知してもらえるツールです。同じ動画を展示会のモニターで流し続ければスタッフの代わりに説明してくれるツールに、取引先での商談で見てもらえば過不足なく適切な情報提供ツールになります。これは1つの動画を複数の場面に活用できる例です。

また採用活動の場面では、店舗スタッフや営業、SEや経理、総務など部門によって伝えたい情報が違います。このようなときは、同じ「採用動画」でも部門ごとに異なる動画を制作するのが効果的です。

つまり企業VPは、複数の用途の動画を制作することも、目的ごとに異なる動画を制作することもできる自由度の高いツールといえます。

ブランディングの一環として利用できる

企業VPは、企業のブランディングの一環としての利用も可能です。一般に企業の理念やミッション、ビジョンは言葉で表しにくいものが多く、誤解されてしまうこともあり得ます。しかし静止画や文字、動き、ナレーション、テロップ、BGMなどを盛り込んだ動画であれば、より正確でわかりやすい表現が可能です。

ブランディングによってブランドイメージが向上すれば、より安定した収益の確保や新規顧客獲得もしやすくなります。このような企業VPの利用場面は、企業の公式ウェブサイトや展示会ブース、イベントなどです。ブランディングに活用するのであれば、個別の商品やサービスだけにとらわれない、企業をより広い視点でとらえた構成や表現である必要があるでしょう。

業務の効率化につながる

実際の業務の効率化につなげるための企業VPも作成できます。企業では、業務が特定のスタッフのスキルに頼りきりになっていたり、部署によってやり方が違って非効率となりがちです。そんなときは社員向けに企業VPとしてマニュアル動画を制作し、誰でもいつでも閲覧できるようにすると、業務手順をスタッフ間で共有するのに役立ちます。

このような業務マニュアル動画は、一度制作すれば内容が変わらない限り、何度でも繰り返し使えるのが利点です。特に部門ごとに行われる新人教育のように、同じことを何度も伝えなくてはならない場面では、担当者の負担軽減も期待できます。

ほかにも採用活動における面接担当者の面接手順の統一や注意点の共有、店舗スタッフに対する詳細な業務手順の習得など、活用法はさまざまです。

内容や媒体によっては拡散も期待できる

企業VPの目的の1つに挙げられるのが「認知度の向上」です。とにかく認知度を上げたい場合は、SNSや動画配信サイトで公開し、「いいね」などユーザーの評価機能を利用すれば動画の拡散も期待できます。より広く拡散したければただ投稿するのではなく、広告費を支払ってでも「広告」として公開するのも効果的です。

特に目をひく企業VPになるほど、SNSや動画配信サイトで公開すれば、視聴者が自主的に拡散してくれます。効果的に拡散できれば、視聴者は無償で他者に広めてくれる「告知担当者」または「営業担当者」となるでしょう。

ただしSNSでは、企業VPのターゲットに適したサービスを選ぶ必要があります。例えばInstagramは10代から30代の利用割合が高く、男性より女性のほうがやや多いため、このような属性をターゲットとする企業VPであれば、大きな効果が期待できるでしょう。

このようにSNSにはユーザーの属性に違いがあります。各SNSサービスの特徴を把握し、適切なものを投稿することが大切です。

企業VPとPVの違い

企業VPとPVは一見似ているようにもみえますが、意味は異なります。
「PV」とは「Promotion Video」の略称であり、自社の商品やサービスを販売促進したりWebサイトへの訪問者数を増やしたり、イベントへの来場を促したりするために利用されるケースが一般的です。その点でPVの活用目的は「販促活動」であり、最終的にはPVの力を借りて、売上向上を目指します。

一方で、企業VPの活用目的の幅は、PVよりも広範囲です。もちろん自社の商品やサービスの販売促進、ブランドイメージの向上を目的とした企業VPもありますが、自社の認知度アップに活用したり社員教育用のマニュアルに応用したりするといった使い方もあります。単に売上向上を目的としたものだけでなく、さまざまな用途に使われるのが企業VPの特徴です。

企業VPの活用シーンの例

企業VPは企業活動のさまざまなシーンに活用されています。ここでは実際の活用の例をジャンルに分けてみていきましょう。

企業VPの活用範囲は広いため、これから導入しようとしたときに漠然としすぎて具体的にイメージしにくいかもしれません。明確な目的を持ってより具体的に導入を進めるには、多くの事例が役立ちます。

ここでは企業VPが活用される代表的なシーンを6つに分け、それぞれで期待できる効果について考えてみましょう。

企業・商品・サービスの紹介

企業VPは企業の事業内容やビジョン、社史といった企業そのもの、また取り扱う商品やサービスを広く紹介するために役立ちます。

例えば企業の社内の様子や従業員の働く姿、コメントは、まさに動画に適したコンテンツです。また事業の特徴やビジョンのような文章での表現が難しい内容も、実写やアニメーション、表、ナレーションなどを使えば、ユーザーにわかりやすく映像にまとめられます。

商品やサービスの紹介に活用すれば、その動作や外観を詳しく伝えることも可能です。そうすると視聴者は、利用する場面をイメージしやすくなります。商品やサービスに興味を持ち、なかには実際の利用や購買につながる場合もあるでしょう。

Web広告

企業VPは商品やサービス、ブランドの認知度アップなどのために広告として活用もできます。動画はTVCMに活用できますが、より広く告知したいならWeb広告が効果的です。

Web広告なら視聴者がほかのWebサイトを閲覧した履歴や検索キーワードから、よりターゲットに近い層にアプローチしやすくなります。

SNS

近年その種類も増え、ユーザーも拡大し続けているSNSへの投稿にも活用できます。SNSは若年層のユーザーが多い傾向にありますが、そのほかの世代のユーザーも決して少なくはありません。SNSには何より「ユーザーがほかのユーザーに紹介できる」しくみがあるため、効果的な企業VPであるほど自動的に拡散され、大きな広告効果を得ることが可能です。

またSNSはサービスごとにユーザー属性が異なるため、企業VPの目的に合ったものを選びやすい活用法でもあります。どのSNSで公開するかを先に決めておいて、その後でサービスに適した構成や表現の動画を作成するのも効果的です。

採用活動

企業の社内の様子や従業員の働く姿、ビジョンや理念といった内容の企業VPは、採用活動にも多いに役立ちます。この場合、動画は商品・サービスや企業そのものの紹介というより、強く企業に「入社したい」と感じてもらうことが重要です。そのため動画の構成も、実際に働く従業員のコメント、将来のキャリアや福利厚生といった、より企業情報に近いものである必要があるでしょう。

採用活動の企業VPは、自社のホームページやWeb広告、SNSなど幅広いメディアでの公開が可能です。公開するメディアは、求める人材に対して的確に届きやすいものを選びましょう。

社内インタビュー

採用活動と企業紹介の両方に利用できるのが、社内の従業員に対するインタビュー動画です。

例えば社員のインタビューで実際の職場の様子や雰囲気、仕事のやりがいなどを伝えれば、就職活動中の求職者が自身の働く様子を想像しやすくなります。人気商品の開発者インタビューでは、商品開発の苦労話などコアな情報が得られる、ファンにとってたまらない動画になるでしょう。

了承を得たうえで、実際の商品やサービスを利用するユーザーへのインタビューができたなら、視聴者の購買促進や認知度の向上に効果的です。

社内マニュアル・社員教育

企業VPは社内の業務やルールを周知するためのマニュアルとして、社員教育に使うという方法もあります。一般にマニュアルといえば文字や画像で構成されていることが多いため、場合によっては意図を明確に、または十分に伝えられない場合があるでしょう。

しかし動画なら、実際にものを使ってどのように操作するのかを視覚的かつ聴覚的に伝えることが可能です。外国人スタッフにも具体的に効率よく伝えられるでしょう。

企業VPの制作・活用のポイント

企業VPを最大限に活用するためには、明確な目的の設定と目的を達成できる構成や表現方法が欠かせません。なかには文章や静止画、テロップが効果的な場合もあるでしょう。重要なのは、視聴者に対して伝えたいことを正しく伝えられるかどうかです。そのためには動画の制作段階から活用まで、必要なポイントを押さえておく必要があります。

ここでは企業VPの制作や活用におけるポイントを3つみていきましょう。

シナリオ・構成をよく精査してから制作を始める

企業VPを最大限に活用するには、動画を制作する前にシナリオと構成を十分に精査することが重要です。動画はターゲットとなる視聴者にわかりやすく、伝えたい情報を正確に伝えるものでなくてはなりません。そのためには情報をどのように伝え始め、自然なストーリーにまとめるかを考えることが大切です。

例えば採用目的の動画では、ターゲットである求職者の立場に近い、入社して間もない社員の、入社前からのエピソードを含めたインタビューなら共感しやすいでしょう。更にいえば冒頭の映像や質問の順番も、より共感を得られるようじっくり精査する必要があります。

シナリオと構成がしっかり定まれば、その後の撮影や編集はかなり進めやすくなるでしょう。

企業VPの利用は目的次第

前述のとおり、企業VPはブランディングや売上アップに限らずさまざまな目的で活用される動画コンテンツです。用途が幅広いため、事前に「自社は何を目的として企業VPを制作するのか」を明確に定め、目的達成につながるような内容の動画を制作することが重要になるといえます。
例えば、採用活動のために自社の働き方を紹介して求職者の関心を高める目的で制作する動画なら、従業員の1日の過ごし方や「日々どのような仕事をしているのか」を紹介する動画などが効果的です。しかし同じ採用活動であっても、新卒採用向けの動画と中途採用向けの動画であれば、動画内に登場させる従業員の年齢層や役職なども異なってきます。

企業VPはナレーションがカギを握る?

企業VPの効果を高めるためには、ナレーションの存在も重要です。
動画は「テキスト+映像+音声」で構成されるため、音声が与えるインパクトは大きいといえます。つまりナレーションの品質が、ユーザーが「動画を最後まで視聴するか途中で離脱するか」を決める判断材料にもなり得るということです。
品質の高いナレーションであれば「最後まで視聴してみたい」と思ってもらえる可能性も高いですが、印象の薄いナレーションだと「内容が頭に入ってこない」と感じられてしまい、途中で視聴を諦められてしまう可能性が十分にあります。
このことから企業VPを制作する際は、自社のブランドイメージや動画内で伝えたいメッセージの内容などに応じて適切なナレーションを活用することが大切です。
声のトーンによって動画全体の印象は大きく左右されるため、制作段階で品質の高いナレーションを準備しておくことが重要だといえます。

テクノロジーを活用して効果的に伝える

企業VP内で伝えたいことを効果的に伝えるためには、テクノロジーを活用することも手段のひとつです。ここでは、代表的な3つのテクノロジーをご紹介します。

モーショングラフィックス

モーショングラフィックスとは、テキストや静止画、イラスト、ロゴなどに音声や動作を付加して動画に仕上げる技術のことです。例えばテレビのCMで企業のロゴがテンポよく動いたり、音楽に合わせてイラストや記号がリズミカルな動作を見せたりするのも、モーショングラフィックスの一種です。

モーショングラフィックスを活用すると、音とロゴやイラストの連動によって動画がユーザーの印象に残りやすくなると考えられます。

VFX

VFXとは「ビジュアルエフェクト」の略称で、「視覚効果」という意味になります。VFXならで動画に特殊効果などを加えることで、現実ではありえないような映像を仕上げることも可能でできます。
現実の映像とVFXによる架空の映像を組み合わせることによって、架空の映像がまるで現実に存在するかのように見せることが可能になり、視聴者に驚きのある企業VPに仕上げること事ができます。

CG

CGとは「コンピューター・グラフィックス」の略称で、画像や図形をコンピューター上で再現する技術のことです。CGではコンピューターを使って2次元や3次元の画像・図形を専用のソフトウェアで制作し、映像を印象的にしたり実物の製品にそっくりのな画像を動画内に登場させたりすることが可能です。

制作した企業VPと相性の良い媒体で公開する

企業VPをより効果的に活用するには、制作の段階で公開先として動画と相性の良い媒体を選ぶ必要があります。動画の制作には、ターゲットの年齢や性別といった属性をはじめ、仕事内容や立場、ライフスタイル、価値観などより細かな要素にも配慮しなければなりません。

たとえば10代から20代前半の若者がターゲットなら、流行の視覚効果やBGMであるほうが興味を持たれやすいでしょう。一方ビジネスパーソンであれば、見た目以上に情報の信頼度や、比較的落ち着いた構成・シナリオが求められます。

WebサイトにせよSNSにせよ、その媒体がターゲットに、また企業VPが媒体に適しているかどうかが重要です。企業VPはターゲットと構成・シナリオ、媒体との相性を常に意識しながら制作する必要があるでしょう。

必要に応じて制作会社などに依頼する

企業VPは「自社での作成」にこだわる必要はありません。大切なのは企業にとって目的が達成できるかどうかです。そのためには必要に応じて、制作会社などに制作を依頼するほうが良いと判断できる場合もあるでしょう。

実績の豊富な制作会社に依頼すれば、たしかにコストはかかりますが、それ以上に企業の伝えたいことをより的確に伝えられる動画に仕上げられます。更にいえば、自社の人的リソースを節約できるのもメリットです。

ただ依頼するのはあくまで「制作」である以上、制作の目的や伝えたいこと、ターゲットなどの要素を明確に伝える必要があります。また制作期間においては、定期的に進捗や仕上がりを確認するなどチェックすることも大切です。

一般的な企業VP作成のプロセス

一般的な企業VP作成のプロセスは、「企画・構成→動画撮影→編集・加工→公開」の4ステップです。

まずは自社が達成したい目的を考慮してどのような企業VPを制作するのかを決定し、動画のストーリーを練り上げます。次は、企画した動画を制作するための映像を撮影するステップです。必要な映像素材が集まったら、集めた映像を編集・加工して、企画に沿って一本の動画を完成させます。これらのステップが完了したところで、最後はいよいよ企業VPの公開です。

企業VPの制作には、企画作成力や動画編集スキルなど多くの技術が必要になるため、動画制作に慣れていないと難しい側面もあります。
動画制作にお困りの際は、企画から編集・加工まで一気通貫で制作できるGAにお気軽にご相談ください。

弊社の実績はこちら

https://www.generalasahi.co.jp/cd/movie/works/

まとめ

企業VPは、ブランディングやマーケティング以外にも幅広い目的で活用できます。制作する際は企業VPで達成したい目的を明確にした上で、「どのような内容の動画を制作するのが効果的なのか」を十分に検討することが大切です。 企業VPを制作する際は、必要に応じてモーショングラフィックスなどの技術も積極的に取り入れることをおすすめします。もし動画制作に不安がある場合は、一気通貫での動画制作サポートを行っているGAにご相談ください。

伝わる映像・動画制作なら企画制作会社のGA | 株式会社ゼネラルアサヒ (generalasahi.co.jp)

CONTACTお問い合わせ

   

まずはお気軽にご相談ください。

ご相談はこちらから!
メーカ企業様のCG✕映像制作事例多数ご紹介!
メーカ企業様のCG✕映像制作事例多数ご紹介!
お電話でお問い合わせ
メールでお問い合わせ