動画の解像度は、動画制作のうえで重要なポイントです。適切な解像度を設定することで、効果的かつユーザー満足度の高い映像を制作することができます。
しかし、そもそも解像度とは何か、理解していない方も多いでしょう。本記事では、動画の解像度について詳しく説明します。
さらに、代表的な動画サイズや用途別の解像度の選び方、解像度の調べ方と変更方法についても解説します。動画制作を検討している方はぜひご覧ください。
■目次
動画解像度(動画サイズ)とは?
動画解像度とは、動画の縦横のピクセル数のことで、ピクセルが多いほど細部まで表現されるため、動画が精細に見えます。
つまり、動画解像度は動画の画質を左右するのです。動画解像度のことを動画サイズとも呼び、ピクセル(画素)という単位を用いて表します。
動画解像度が高ければ、その分高画質な映像を楽しめます。しかし、デバイスによって対応している解像度の上限は異なり、映像の解像度が高ければ良いというわけではありません。
また、高解像度ならではのデメリットもあります。そのため、使用デバイスは何か、ユーザーの視聴環境を考慮して、適切な動画解像度を設定する必要があるのです。
動画サイズに関する基本用語
動画を制作するうえでは、適切な動画サイズに設定することが大切です。そのため、動画サイズの基本であるピクセル、動画解像度、アスペクト比について理解しましょう。
ここでは、動画サイズの基本である上記3つの用語について解説します。また、同じく動画の精細さを左右するフレームレートについて、フレームレートの定義と解像度との違いを説明します。
動画を構成する最小単位であるピクセル
ピクセルとは、動画を構成する最小単位のことです。動画を限界まで拡大してみると、小さな点が集合して動画を構成していることが分かります。この点が1ピクセルです。
例えば、解像度が「1280×720」の動画なら、横に1280ピクセル、縦に720ピクセルが並んでいることになります。縦横のピクセル数の総数が多いほど、映像が細部まで表現されるため精細な映像になるのです。
画質を表す動画解像度
動画における解像度は、動画のピクセル(画素)数を表します。動画解像度が高いほど、精緻で高画質な映像になるのです。
動画解像度は一般的には「横ピクセル数×縦ピクセル数」で表したり、縦ピクセル数にモニターの走査線数の単位をつけますが、フルHDや4Kといった別称で呼んだりもします。例えば、動画解像度「1920×1080」の動画は、1080pやフルHDとも呼ばれます。
動画の縦横サイズ比を表すアスペクト比
アスペクト比とは、動画の縦横サイズの比率のことで、「横サイズ:縦サイズ」で表します。使用されるアスペクト比はデバイスやプラットフォームによってさまざまですが、一般的なアスペクト比は「16:9」と「4:3」です。
「16:9」はワイドと呼ばれ、横に長い比率です。地上波デジタル放送やYouTubeでも用いられています。「4:3」はスタンダードと呼ばれ、正方形に近い比率です。地上波アナログ放送で用いられていたアスペクト比で、現在は「16:9」が主流となっています。
また、シネマスコープとも呼ばれる「2.35:1」のアスペクト比は、映画で用いられておりかなり横に長い比率です。そのほか、InstagramやTikTokなどのSNSでは、縦長や正方形のアスペクト比も用いられています。
このように、使用されるデバイスやプラットフォームによってアスペクト比は異なり、SNSの普及に伴い多様なアスペクト比が用いられているのです。
動画の解像度とフレームレートの違い
解像度のように動画の精細さを左右するものとして、「フレームレート」があります。解像度は画質を左右するものですが、フレームレートは1秒間に表示するフレーム数(コマ数)を表します。
つまり、解像度が高くなれば画質が精細になり、フレームレートを上げることで動画がより滑らかになるのです。フレームレートを下げると、カクカクした映像になります。
フレームレートはfps(frames per second)という単位で表し、用途に応じて数値はさまざまです。一般的に、防犯カメラや監視カメラで用いられるのは3〜5fps、映画で用いられるのは24fps、テレビやパソコンの動画は30fps、4K・8Kといった高解像度の映像で用いられるのは60fpsとなっています。
代表的な動画サイズ
解像度にはさまざまな種類がありますが、一般的に動画で用いられる解像度は以下のとおりです。
- 144p(256×144)
- 240p(427×240)
- 360p(640×360)
- 480p・SD(720×480)
- 720p・HD(1280×720)
- 1080p・フルHD・2K(1920×1080)
- 1440p(2560×1440)
- 2160p・4K(3840×2160)
- 4320p・8K(7680×4320)
これらの中で、現在の主流は720p以上です。480pのSDは地上波アナログ放送の解像度のため、最近ではほとんど使用されていません。
1080pのフルHDは、フルハイビジョンとも呼ばれ地上波デジタル放送やブルーレイの最大の解像度です。また、4KはフルHDの4倍の画素数、近年注目されている8KはフルHDの16倍という高精細な映像を映し出します。
ちなみに、動画プラットフォームとして多く利用されているYouTubeでは、標準アスペクト比は「16:9」、推奨される解像度は240p〜2160p(4K)とされています。
必ずしも高解像度が最適とは限らない!高解像度のメリット・デメリット
動画は高解像度になるほど、画質が精細で鮮明になります。特に大画面では、解像度によって動画の見え方が大きく変わります。
しかし、必ずしも高解像度が良いとは限りません。高解像度の動画のメリットとデメリットを理解し、適切な解像度を設定することが大切です。ここでは高解像度に設定することのメリット・デメリットについて詳しく解説します。
高解像度のメリット
高解像度にするメリットは、画質が精細で鮮明な動画になることです。特に大きなモニターで視聴する際は、解像度の低さが目立ちます。高解像度の動画なら、大画面でも鮮やかで美しい映像を楽しめるでしょう。
また、近年ではスマートフォンの性能が上がっており、スマートフォンで動画を視聴する際も解像度の低さが目立つようになりました。
多くの人がスマートフォンで動画を視聴する現在、解像度が高ければそれだけ精細な映像を楽しめるため、ユーザーの満足度も上がると考えられます。
高解像度のデメリット
高解像度になると、その分動画ファイルのサイズ(容量)は大きくなります。ファイルサイズが大きくなると、携帯電話回線(モバイル回線)でのデータ通信量の消費が激しくなったり、データの転送が遅くなったりといったデメリットがあるのです。
ユーザーがモバイル回線で動画を視聴する場合、ファイルサイズが大きいとダウンロードが追いつかず再生できない場合があり、スマートフォンでは快適に視聴できないためユーザーが離れてしまう可能性が高いでしょう。
そのため、むやみに解像度の高い動画を作るのではなく、ユーザーの使用デバイスでの快適さを考えて適切な解像度を設定する必要があります。
用途別!画面解像度の選び方
ユーザーに満足してもらう動画を作るためには、動画を制作する目的を明確にし、用途に応じて適切な解像度を設定することが大切です。
用途ごとに、映像に高画質を求めるか否かは異なります。また、スマートフォンで視聴する動画と大画面モニターで視聴する動画では適切な解像度が異なります。
動画の画面解像度は、映像コンテンツと再生デバイスをポイントに選びましょう。ここでは、解像度の選び方と用途別の目安を紹介します。
映像コンテンツで選ぶ
プロモーションや風景動画など、鮮明で美しい映像が求められるコンテンツの場合は、高解像度で制作しましょう。フルHDや4K、場合によっては8Kの高解像度で制作すれば、効果的にアピールできます。
一方、セミナーや研修用の動画のように、画面の精細さが求められないコンテンツの場合は、ファイルサイズが小さくて再生しやすい720p程度の解像度がおすすめです。
デバイスで選ぶ
デバイスによって、適切な解像度が変わります。スマートフォンでの視聴を前提に動画を制作する場合は、高くてもフルHD、基本的には720p程度の解像度がおすすめです。解像度が高すぎるとファイルサイズが大きくなり、ダウンロードが間に合わない可能性があります。
一方、大画面モニターでの視聴を前提に動画を制作する場合は、フルHD以上の高解像度がおすすめです。画面サイズが大きくなるとその分画質が気になるため、高解像度の映像であればユーザーにも満足してもらいやすいでしょう。
動画の解像度の調べ方
動画の解像度は、動画をパソコンに取り込むことで調べられます。
Windows10の場合は、エクスプローラーのリボンにある「詳細ウィンドウ」から動画を選択し、詳細ウィンドウから確認可能です。フレーム幅と高さが解像度に該当します。
Macの場合は、取り込んだファイルを右クリックして「情報を見る」を選択すると確認できます。
動画の解像度の変更について
動画の解像度は、動画をパソコンに取り込み、標準搭載されているアプリを使用して変更することは可能です。
Windows10の場合は「フォト」アプリに動画を読み込み、「ビデオの完了」からエクスポートする際に「ビデオの画質」で解像度を変更することができます。
Macの場合は「iMovie」アプリに動画を読み込み、ファイルメニューの「共有」から「ファイル」を選ぶと解像度を変更することができます。
ただし、解像度を変更すると画質と音質は劣化するので注意が必要です。動画の解像度(動画サイズ)を変更することは「ビットレート」や「コーデック」を変更することになるため、選択によっては劣化が大きくなります。解像度を変更したい場合は、動画編集ソフトや動画変換ソフトを使うことをおすすめします。
まとめ
今回は、動画制作において重要な解像度について、解像度とは何か、代表的な動画サイズや解像度の選び方、解像度の調べ方などを解説しました。
解像度は高ければ良いというわけではなく、映像のコンテンツやデバイスに応じて、適切な解像度を設定することが大切です。
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