今や、企業にとって動画コンテンツはとても重要です。そこで、「SNS×動画」の有用性を活用したPRで多くのユーザーにアプローチしてみてはいかがでしょうか。この手法を使えば企業のマーケティング戦略においても大きな効果が期待できます。まずは、投稿するSNSの選定やコンテンツの精査を知ることから始めてみましょう。
本記事では、SNS動画をPRに活用するメリットやSNSごとの特徴、動画フォーマットやポイントなどを解説しています。SNS動画を活用したPRを実現したいご担当者様は、ぜひご覧ください。
■目次
SNSで動画をPRに活用するメリット
SNSで動画をPRに活用することには、以下のようなメリットがあります。
- リーチできるユーザー数が多い
- 精緻なターゲティングや分析ができる
- ユーザーの印象に残りやすく、情報を伝えやすい
SNSでは多くのユーザーに動画を見てもらえる可能性が高くなるのはいうまでもありません。また、SNSの機能を活用した精緻なターゲティング分析や効果分析ができるメリットもあります。SNS動画はユーザーの印象に残りやすく、伝えたいイメージを形にしやすいのが特長です。
このようなSNSならではの特徴を活用することで、効果的なPRが実現します。以下では、SNS動画が持つメリットについて解説します。
リーチできるユーザー数が多い
SNSは、アクティブユーザーが多いため、多くのユーザーに動画を見てもらいやすいのがメリットです。主要なSNSは、国内だけでも月間で約4,500万人以上のアクティブユーザーを抱えています。リーチできるユーザー数が多く、SNS動画は自社や商品名・サービスを多くの人に知ってもらう有効な手段といえるのです。
SNSにはシェア機能が備わっているのも特長です。ユーザーにとって魅力的なコンテンツは拡散されやすく、さらに多くのユーザーに動画を見てもらえる可能性が高まります。
特に、インパクトのある、いわゆる「バズる」動画は拡散されやすい傾向にあり、費用をそこまでかけなくても非常に多くのユーザーにリーチできます。またハッシュタグを活用することで、国内外問わず幅広いユーザーに見てもらえるのもSNSの特長です。
SNSユーザー数の参考URLはこちら(株式会社コムニコ)
精緻なターゲティングや分析ができる
SNSの動画で効果を上げるためには、興味を持ってもらいやすい層にアプローチすることと、結果をもとに分析・改善することが重要です。
SNSでは、年齢や性別、興味関心など、さまざまなユーザーデータをもとに精緻なターゲティングができます。そのため、自社や商品に興味を持ってもらえそうな層により効果的な動画を届けられます。
また、SNSが提供している分析ツールを使用することで、ユーザー数や属性、コンバージョンなどのデータを確認できるのもメリットです。動画の効果を検証できるため、次の動画制作・配信への改善点にもつなげやすくなります。
ユーザーの印象に残りやすく、情報を伝えやすい
動画は映像と音声によって商品やサービスの魅力が伝わりやすく、文章や画像に比べて視覚と聴覚の双方に働きかけられるため、ユーザーの印象に残りやすいといわれています。
さらに、SNSに動画を投稿することは、多くのユーザーに伝えたいことをわかりやすくアピールできます。また、自社の雰囲気や商品のディテールなど、文章や画像のみでは伝えきれない情報を短時間で効果的に伝えられるのも魅力です。
SNS別の特徴に合わせた動画を制作して、効果の上がるPR活用につなげてみましょう。
【SNS別】動画の特徴とポイント
動画配信できるSNSには、さまざまな種類があります。SNSごとに特徴が異なるため、ターゲットや動画の内容などに合わせて、どのSNSを活用するかを入念に検討しましょう。
ここでは、代表的なSNSである以下の5つについて、特徴と投稿できる動画の長さ・サイズ・アスペクト比などのフォーマットを解説します。下部に表でまとめているため、ぜひ参考にしてください。
- ユーザー属性が幅広いYouTube
- アクティブユーザー数が多いTwitter
- 3つの投稿方法があるInstagram
- 長い動画を投稿できるFacebook
- 若い世代に適したTikTok
1.ユーザー属性が幅広いYouTube
YouTubeは、世界中の幅広い属性のユーザーを抱えている動画配信プラットフォームです。ユーザー数は、日本で約6,500万人、世界では約20億人といわれています。ユーザー属性が幅広いため、さまざまなジャンルの動画を配信しやすいのが特徴です。
通常の動画の場合、デフォルトでは15分までの動画をアップロードできます。Googleアカウントの確認が完了すると、それ以上の長さの動画も投稿可能です。
アップロードできる動画サイズの上限は、256GBまたは12時間のいずれか小さい方、標準アスペクト比は16:9です。また、最近では最長60秒の縦型の動画を投稿できる「YouTube shorts」という機能もリリースされました。
YouTube動画を多くのユーザーに見てもらうためには、最初の3秒で興味を引けるよう、冒頭にインパクトを持たせることがポイントです。伝えたい内容や印象に残るキャッチフレーズを動画のはじめに持っていく、などの工夫をしましょう。また、後述のとおり、目を引くサムネイルを作成することも重要です。
2.アクティブユーザー数が多いTwitter
Twitterは、日本で約4,500万人、世界で約3億3,000万人のユーザーを抱えているとされるSNSです。アクティブユーザー数が多く、投稿内容が拡散されやすいという特長があり、トレンドを意識した動画の投稿や拡散を狙う場合に適しています。
Twitterでは、2分20秒までの動画を投稿できます。最大動画サイズは512MB、アスペクト比は「1.91:1」「1:1」「16:9」です。
Twitterはスクロールされる速度が速いため、すぐに内容を理解できるような、短くてインパクトのある動画を投稿することがポイントです。動画とともに文章を投稿する場合は、瞬時に要点を理解できる簡潔な文章にしましょう。
また、Twitterはリツイート機能があり拡散力が高い一方、炎上してしまう可能性も高いため、投稿内容には特に注意しましょう。
3.3つの投稿方法があるInstagram
Instagramは、日本で約3,300万人、世界で約10億人のユーザーを抱えているとされます。Twitterと同様に幅広いユーザーが使用しており、写真や動画を共有するSNSという性質上、動画と高い親和性があります。
Instagramには、ストーリーズ投稿・フィード投稿・リールの3つの投稿方法があるため、配信するコンテンツやターゲットなどによって、適切な投稿方法を選択できるのがメリットです。
フィード投稿の場合、最大120秒の動画を投稿できます。動画ファイルは最大4GB、アスペクト比は横型「1.91:1」、正方形「1:1」、縦型「4:5」の動画が投稿できる推奨サイズです。また、ストーリーズやリールの場合は、アスペクト比「9:16」の縦長の動画が推奨されています。
Instagramは、Twitterに比べると拡散性が低いため、他のSNSと連携させることが有効です。また、ハッシュタグ検索から動画を見つけてもらえる可能性も高いため、必ずハッシュタグを活用しましょう。
4.長い動画を投稿できるFacebook
Facebookは、日本で約2,600万人、世界で約29億人のユーザーを抱えているとされるSNSで、実名での登録が前提という特徴があります。Facebookは、他のSNSよりも長い動画を投稿できるのがポイントです。またサムネイルの設定もできます。
Facebookで動画を投稿する方法には、Instagramと同様にフィードとストーリーズがあります。
フィードの場合、動画の長さは最大240分です。動画ファイルは最大4GB、正方形・縦型・横型の動画を投稿できます。ストーリーズの場合、動画の長さは最大120秒です。
Facebookの動画は、どのような内容なのかがタイムライン上で伝わりにくいという特徴があります。そのため、動画の内容が伝わる文章を添えたり、サムネイルを工夫したりすることが大切です。また、投稿した動画のうち1つを自分のページの上部に配置できる「注目の動画」という機能があります。動画の中でも特に見てもらいたいものを目立たせられるため、積極的に活用しましょう。
5.若い世代に適したTikTok
TikTokは、日本で約950万人、世界で約10億人のユーザーを抱えているとされる、ショート動画配信プラットフォームです。TikTokは、15〜60秒程度の短い動画の配信に特化しており、若い世代が多く利用しているという特徴があります。
そのため、10〜20代の若い層をターゲットにしたPRや、歌やダンスなどインパクトがあるコンテンツの投稿におすすめです。BGMの追加や補正なども簡単に行え、動画を手軽に制作できます。
TikTokは、15〜60秒の動画を投稿できます。動画ファイルは最大500MBです。正方形・縦型・横型の動画を投稿できますが、フルスクリーンで表示できるのは9:16の縦型動画です。
TikTokの特徴は、動画が短く、次の動画が表示されるペースが速いことです。スワイプで容易に次の動画に移れるため、冒頭の2〜3秒で興味を引くような内容にする必要があります。また、多くのユーザーに見てもらうためには、サウンドの活用もポイントです。TikTokには「バズる」サウンドが存在するため、トレンドを踏まえたサウンドを使用しましょう。
以下に、それぞれのSNSごとに投稿できる動画広告の長さ・サイズの上限とアスペクト比をまとめました。ぜひ参考にしてください。
長さ(最大) | サイズ(最大) | アスペクト比 | |
YouTube | 15分(デフォルト) | 128GB | 16:9(標準) |
140秒(15秒以内を推奨) | 1GB | 1.91:11:116:9 | |
60秒(リール)60分(ストーリーズ)60分(フィード) | 4GB(リール)250MB(ストーリーズ・フィールド) | 1.91:116:91:19:16(ストーリーズ・リールの推奨)2:34:5(フィードの推奨) | |
240分(フィード)120秒(ストーリーズ) | 4GB | 1.91:116:91:14:59:16 | |
TikTok | 60秒 | 500MB | 1:116:99:16(推奨) |
動画の長さはSNSとジャンルに応じて決める
動画を投稿するSNSごとに、適切な動画の長さや解像度・サイズなどが異なります。特に、動画の長さはエンゲージメントに大きく関わる重要なポイントです。動画の長さは、SNSの種類と動画のジャンルに応じて決めましょう。
それぞれのSNSごとの、エンゲージメントが高まる適切な動画の長さの目安は、以下のとおりです。
- YouTube:2分程度
- Twitter:40秒程度
- Instagram:30秒程度
- Facebook:1分程度
- TikTok:9〜15秒程度
また動画のジャンルごとに、適切な動画の長さは異なります。例えば、商品紹介動画では情報量が重要です。そのため、短い動画でインパクトを与えるというよりは、60〜120秒ほどの動画で必要な情報を伝え、ユーザーの商品理解を深めましょう。
一方、認知度向上を目的に動画を制作・配信する場合は、短い動画でインパクトを与えることが大切です。15〜30秒ほどの短い動画で、ユーザーに興味を持ってもらえる内容にしましょう。
効果的なSNS動画を制作する3つのポイント
効果的なSNS動画を制作するためには、以下の3つのポイントを心がけましょう。
- 冒頭で興味を持ってもらえるよう工夫する
- ストーリー性があり共感できるコンテンツにする
- 目を引くサムネイルにする
動画のコンテンツを決める際は、SNSごとの特徴を理解したうえで、ストーリー性や共感を得やすい内容を意識しましょう。さらに、ユーザーに再生してもらうためには、冒頭とサムネイルの工夫も重要です。ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
1.冒頭で興味を持ってもらえるよう工夫する
多くの視聴者は、冒頭を見て動画を見続けるか次の動画に移るかを判断します。そのため、動画を最後まで見てもらうためには冒頭部がポイントです。始めの3〜5秒ほどで興味を引くようなインパクトを持たせたり、伝えたい内容やキャッチフレーズを冒頭に持ってきたりといった工夫をしましょう。
また、ユーザーが我慢して見続けられる動画の長さは15秒ほどといわれています。そのため、YouTube用の長めの動画でオープニングをつける際は、15秒以内に収めるようにしましょう。
2.ストーリー性があり共感できるコンテンツにする
ユーザーに飽きずに見てもらえ、印象に残る動画を制作するためには、ストーリー性を重視しましょう。短い動画であっても、ストーリー性があり見応えのある内容にすることが重要です。
起承転結を意識したシナリオを作成しましょう。また、ユーザーが共感できるコンテンツにすることで、より内容を覚えてもらいやすくなります。ユーザーが納得しやすい内容を心がけ、効果音やテロップを活用して伝えたいメッセージを強調すると有効です。
3.目を引くサムネイルにする
動画を多くのユーザーに見てもらうためには、動画の内容だけでなく、サムネイルも工夫しましょう。サムネイルとは、SNSで動画を検索した際に表示される小さな画像のことです。
ユーザーが動画をクリックして、視聴してくれるかどうかはサムネイルにかかっているともいえ、インパクトのあるサムネイルを作ることで見てもらえる確率も高まります。
サムネイルは動画のキャプチャ(スクリーンショット)でも代用できますが、ユーザーの目を引くような独自のサムネイルを制作する方が、より高い効果を期待できます。例えば、料理を紹介する動画なら美味しそうな料理のアップ写真を採用する、商品の効果を伝える動画ならビフォーとアフターの画像を並べて表示する、などが有効です。
さらに、インパクトのあるサムネイルにするためには使用する画像だけでなく、キャッチコピーやフォントの大きさにも工夫が必要です。文字を目立つ赤色で入れたり、見やすいフォントで動画のポイントをサムネイルに箇条書きで表示する、などの方法が挙げられます。
より効果的なSNS動画を制作したい場合は、動画制作のプロに依頼することをおすすめします。当社では、会社紹介・製品プロモーション動画など、さまざまな目的に応じた動画制作サービスを展開しています。
丁寧なヒアリングを通して、ターゲットや予算に合ったコンテンツを提案し、質の高い動画を制作可能です。SNS動画を活用したPRを検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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SNS動画をPRに活かす際の注意点
SNS動画は、適切に活用すればPRに役立ちますが、以下のような注意点もあります。
- 著作権の侵害に注意する
- ネットで炎上しないコンテンツにする
上記の注意点を意識せずに動画を制作すると、意図せず法律を犯してしまったり、企業イメージを損ない、逆効果になったりする可能性もあります。
SNSには拡散力があるからこそ、著作権侵害や炎上には細心の注意を払いましょう。ここでは、それぞれの注意点について解説します。
著作権の侵害に注意する
SNS動画を制作する際は、著作権の侵害に注意しましょう。動画内に挿入する画像やBGM・効果音やテロップ用の文字フォント・キャッチコピーなど、動画で使用する素材や音源については、必ず著作権の有無を確認し、適切に処理することが必要です。
許諾が必要な著作物を無断で使用すると、著作権侵害として10年以下の懲役または1000万円以下の罰金に科される場合があります。著作権フリーの素材や、著作者から使用について許諾を得たものを使用しましょう。
また、外部に動画制作を依頼する場合は、著作権の許諾や譲渡について契約書で確認することが大切です。
ネットで炎上しないコンテンツにする
動画コンテンツの話題性を重視するあまり、過激な内容や不適切な内容で炎上してしまうケースが増えています。
ネットでの炎上は、企業イメージの深刻な損失を招き、自社にとって大きな痛手になるため注意が必要です。一度失った信頼を取り戻すためには、かなりの時間がかかってしまいます。
社員の不適切な行動や、ユーザーを騙すような内容、世情を考慮しないようなセンシティブな話題や、そのほか視聴者を不快にさせるコンテンツは炎上リスクが高くなります。意図せず炎上してしまう場合もあるため、注意してコンテンツを精査しましょう。
まとめ
今回はSNS動画を活用したPRについて、メリットやSNSごとの特徴、動画の長さの決め方や効果的な動画を制作するポイントなどを解説しました。
SNSならではのユーザー数や拡散力などを活用することで、効果的なPRが実現します。SNSごとに特徴が異なるため、ターゲットや動画の内容などに応じて、適切なSNSを選びましょう。
SNS動画で成功するためには、コンテンツの精査やサムネイルが重要です。さらに、著作権侵害や炎上リスクにも注意しましょう。より効果のあるコンテンツに仕上げるためには、プロに制作を依頼することを検討しましょう。