動画を制作する際は、構成や演出を表す絵コンテの作成が欠かせません。動画の流れが一目でわかるような絵コンテを作成するために、本記事では、絵コンテの目的や作成時のポイントなどを解説します。目的やターゲットに合った動画を制作したい方は必見です。
■目次
動画の構成や演出を表した絵コンテとは
絵コンテとは、動画やアニメなどの構成や演出を、絵と説明文を使って表したものです。動画の流れに沿って、カットごとの構図やシナリオ、動画の長さや出演者の動きなどを記載します。動画の設計図や指示書と考えるとわかりやすいでしょう。
絵コンテには、具体的に以下のような情報を記載します。
- カットナンバー:動画においてそのカットが何番目であるかを示す通し番号
- カットの長さ:そのカットが何秒あるのか
- カットごとの構図:そのカットの内容を絵で表したもの
- 動きの説明:出演者の動きやカメラワークなどを文章で説明したもの(ト書き)
- セリフ:出演者のセリフ
- 音楽・効果音:音楽や効果音に関する指示
絵コンテを作る目的
絵コンテを作る目的とは何でしょうか?
- 制作チームで動画の完成イメージを共有して効率的に作業するため。
絵コンテにより、出演者が内容を把握できるだけではなく、カメラマンがどのように撮影すればよいのかや、編集者がそのカットを何秒にすればよいのかがわかるなど、制作スタッフ全員が動画制作の進め方を同じように理解できる。 -
絵コンテの作成を通して制作者がアイデアを整理し、そこから発想を広げてよりクオリティの高い動画に仕上げる。
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絵コンテを元に依頼側と制作側で動画の世界観に関する認識を統一できる。
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動画制作の重要なシーンや表現を確認できる。
絵コンテの構成とは
絵コンテは、動画の構成をわかりやすく表したものです。絵コンテを作成するためには、絵コンテで使われる構成について理解する必要があります。
絵コンテの作り方については「プロが伝授!初心者でもできる絵コンテの作り方を解説」も参考にしてください。
絵コンテの基本的な構成は、起承転結と序破急の2つです。さらに細かく見ていくと、絵コンテの構成のまとめ方には、以下の3つの要素も重要になります。
- 時系列
- 引きのカットと寄りのカット
- アクション・リアクション
ここでは、絵コンテの構成について詳しく解説します。
基本の構成
まずは、絵コンテの基本的な構成である起承転結と序破急について解説します。
起承転結とは、漢詩から生まれた言葉で四つに分けた構成法です。物語を起(導入)・承(物語が展開する)・転(変化が起こる)・結(結末)に分けたものです。相手に情報を効果的に伝えられるため、広く用いられているテクニックです。起承転結に沿って絵コンテを作成すると、動画の大まかな流れがわかりやすくなります。
序破急は、雅楽から生まれた言葉で三つに分けた構成法です。日本の芸能では基本の構成で、物語を序(物語の前振り、説明)・破(意外な方向に展開する)・急(展開が速くなり、盛り上がって結末へ)に分けたものです。3部構成なので、起承転結よりもスピード感があり、ストレートにテーマを伝えられるのが特長です。
起承転結では転、序破急では破が物語の見せ場であり重要な場面となります。
時系列に描く
絵コンテは、基本的には時系列で描きます。いきなり未来のシーンや回想シーンに移るような時系列がバラバラの構成では、話の流れがわかりにくくなってしまうためです。時系列で描くことで、誰が見てもどのように動画が展開するのかが一目でわかります。
ただし最近では、意図的にいきなりクライマックスシーンを提示して、そこから遡って物語が展開するような、視聴者を引き込む演出もよく見られます。
引きから寄りで描く
絵コンテでは、引きのカットから寄りのカットに移るよう描くのが基本です。引きのカットは撮影シーン全体を広く写すため、風景や状況が伝わります。
寄りは被写体を近くから写すため、登場人物の表情や細かい部分を伝えられるカットです。引きのカットを入れた後に寄りのカットに移ることで、意識も人物にクローズアップしていきます。
アクション・リアクションを盛り込む
絵コンテには、アクションやリアクションを盛り込みましょう。この時、アクションとそれに対するリアクションを交互に描いていきます。
例えば、アニメーションのキャラクターが何かセリフをいえば、別のキャラクターがそれに反応するのが自然です。このように登場人物が何かアクションを起こし、別の登場人物がそれに反応するという流れを交互に描いて絵コンテを作成していきます。
絵コンテを作る前に
絵コンテを作る前に、以下のポイントをはっきりさせてから絵コンテを作成すると、動画でアピールすべきポイントや、メッセージの効果的な伝え方などがわかり、趣旨に合った適切な動画に仕上がります。絵コンテをスムーズに作成するためにも、確認しておくことが大切です。
動画の目的、目標を明確にする
絵コンテを作るにあたって、動画の目的や目標を明確にしておきましょう。目的や目標が曖昧なまま絵コンテを作ろうとしても、どのような構成や内容にすればよいかがわからなくなってしまいます。
動画の構成や、出演者の動き方といった動画の流れを理解するために必要な情報を集め、動画の目的や目標を明らかにすることが大切です。
配信媒体を決定(または想定)する
動画を配信する媒体としては、テレビやYouTube、SNS、セミナーのプロジェクターなど、さまざまな選択肢が考えられます。
絵コンテを作成する前に、動画を配信する媒体について決めておきましょう。配信媒体によって、制作費用や縦横比、適切な世界観などが異なるためです。
例えば、テレビやプロジェクターならば大画面に対応する鮮明な映像が撮れるカメラを使用してアングルに凝ったり、SNSならば短くてインパクトのあるカットが多い構成にしたりする必要があります。動画の目的や媒体を決めることで、絵コンテを作成しやすくなるでしょう。
動画を見るターゲット層を設定する
絵コンテを作成する際には、ターゲット層の設定も欠かせません。ターゲットによって、動画内で伝えるべきメッセージや伝え方が異なります。ターゲットを明確化することで、訴求したいポイントを効果的に伝えられる動画を制作できるのです。
ターゲットを設定する際は、年齢や性別といった属性だけではなく、生活スタイルや価値観など、細かい部分まで想定しましょう。
絵コンテ構成の3つのポイント
絵コンテの構成を考える際は、3つのポイントを理解しましょう。
動画制作を制作会社に依頼する場合も認識のズレが生まれないように、これらのポイントを重視して打ち合わせや確認を行うことが必要です。
全体の流れを決める
まずは、動画全体の流れを決めましょう。動画を作る目的を整理し、ターゲットや伝えたいメッセージを洗い出します。視聴者の立場になり、メッセージが効果的に伝わるような全体の流れを考えましょう。
あれもこれもと内容を盛り込みがちですが、必要な内容と削ってもいいものを優先順位をつけて分けることで、シンプルでわかりやすい動画に仕上がります。
目的に合わせた構成を決める
次に、動画の目的に合わせて構成を考えましょう。いきなり絵コンテを作成すると、絵コンテで描きやすく撮影しやすい構図に偏ってしまう可能性があるため、まずは目的を考えて内容を整理することが大切です。
制作会社に依頼する場合は、制作会社が構成を考えてくれるケースが多くみられます。その場合でも、希望どおりの動画に仕上がるよう、打ち合わせ時に目的やターゲット、配信媒体などを伝え、構成に反映できるようにしましょう。
動画の世界観を確認する
動画の目的や内容によって、世界観が変わってきます。たとえば、会社説明用の動画ならば明るいポジティブな雰囲気、ストーリー性のある動画ならばシネマティックな雰囲気といったようにです。それによってカメラワークやBGM、テロップの入れ方などが変わってきます。
動画制作がある程度進んだ状態から変更するのは難しいため、希望の世界観については事前に明確にしておきましょう。理想イメージに近い動画に仕上がるように、制作会社との事前打ち合わせの際にはしっかりと伝えることが大切です。
まとめ
この記事では、絵コンテの描き方や作成のポイントなどを解説しました。動画の構成や演出を表した絵コンテを作成することで、動画の流れが誰でも一目でわかるため、動画制作がスムーズに進みます。
動画の目的やターゲット、伝えたいメッセージ、世界観などを整理することが絵コンテを作る上でポイントになります。
自社で絵コンテを作成してみるものいいですが、クオリティの高い動画を制作したい場合はプロに依頼するのがおすすめです。弊社では、会社紹介や製品プロモーションなど、さまざまな目的に対応した動画制作サービスを展開しています。
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